地域の成長度にあわせた商品展開
──たまごっちの累計出荷数の50%以上を海外が占めるとのことですが、地域や国によって変えている戦略はありますか?
辻:キャラクターや地域の成長度、時代に合わせて提供するものを変えています。たとえば、最新デバイスは少し高価なため、地域によっては初代「たまごっち」と「新種発見!! たまごっち」の欧米版「Original Tamagotchi」シリーズをお求めやすい価格帯で提供しています。また、通信などの技術も、各地の環境に応じて調整してきました。

──通信の技術も地域で変えていたのですか。
辻:たとえば、2004年に日本で発売した商品はiモードと連動して赤外線通信ができます。iモードの中の「たまごっちタウン」に遊びに行かせたり、ポイントを得たりするというものです。しかし、海外にはiモードがありませんから、パソコンとつなげる方法に変更しました。たまごっち上に出てくるパスワードをPCに入力し、PCが返したパスワードをもう一度たまごっちに入力するという方式です。少し面倒くさいのですが、通信という体験は提供できます。
このように、なるべくその地域の環境・消費者に合わせたものづくりやマーケティングを行うことが大事だと思っています。ただ、現在はネット環境が世界的に整ったので、共通の規格・体験を提供できるようになってきましたね。
海外でもIPとしての訴求が可能なフェーズに
──日本と海外で、おもちゃで遊ぶユーザー層やまめっち・くちぱっちなどの人気に違いはあるのでしょうか?
辻:日本では2009年から2015年の6年間、テレビ東京さんとアニメを制作し放送しました。デバイスがカラー化して表現が豊かになった時期でもあり、まめっちは真面目、くちぱっちは食いしん坊といった性格を確立させることができました。そのため、日本ではデバイスだけでなくまめっちたちの人気も高いです。
一方で、当時は海外で日本のアニメを放送するハードルが高く、アジア圏の一部に留まりました。ですから、海外ではおもちゃのたまごっち──たまご型に3つボタンという意匠で訴求するケースが多いです。ライセンスアウトも、デバイスのたまごっちがたくさんプリントされた総柄など、意匠を中心にして展開してきました。
近年、YouTubeでショートアニメなどを発信できるようになり、世界中でたまごっちの売り場が成立してきています。これからが、世界に向けてより本格的にまめっちやくちぱっちを伝えていくフェーズです。
御三家と呼ばれているまめっち、くちぱっち、めめっちなどに加えて、地域ごとに異なるたまごっちたちが受け入れられ始めていますね。アメリカではみみっちが人気です。また、海外セレブが小さい時に遊んでいたり、ファッションアイテムとして使用されていた背景があるので、海外ではファッションアイコン的なアプローチもしています。
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