ソニーが取り組む、店内行動可視化の最前線とは?
一方、店内の顧客行動やサイネージ視認状況の可視化を担うのが、ソニーマーケティングの「AI解析ソリューション with AITRIOS(アイトリオス)」である。

従来のAIカメラは、取得映像をクラウドへ転送して解析するクラウド型が主流であった。しかしこの方式は、通信コストの肥大化に加え、来店者のプライバシー保護の観点から店舗導入のハードルが高いという課題を抱えていた。
これに対しソニーは、カメラデバイス側(エッジ)でAI処理を完結させるエッジAI技術を採用している。ソニーマーケティングの深山氏によると、画像センサーとロジックチップを一体化した「インテリジェントビジョンセンサー」を搭載し、デバイス内部で画像をテキストデータへと即座に変換処理している。

深山氏は、「『通過人数』や『視認人数』といったテキスト化された数値データのみをクラウドに送信するため、持続可能かつ安全な解析ソリューションとして提供できる」とメリットを語る。生映像は外部に出ないため、プライバシーに最大限配慮したデータ化が可能である。
このエッジAIデバイスを店頭サイネージ付近に設置することで、前を通った人数だけでなく、顔の向きから「実際に何人がサイネージを視認したか」を高精度に検知できる。これにより、ブラックボックスだった店内での広告接触が明確な数値として可視化されるのである。
2社の技術が融合。「店外」と「店内」をつなぐ高度なペルソナ分析
unerryの「店外行動データ」と、ソニーマーケティングの「店内視認データ」。この2つのテクノロジーが融合することで、店頭メディアの効果計測は次のフェーズへと進化する。最大のブレイクスルーは、単に「視認率」を測るだけでなく、「どのような属性の人が見たのか」まで分析可能になった点である。
従来のカメラ単体による属性推定は、性別や年代の判別に留まっていた。しかし、AIカメラの視認ログとunerryの人流プロファイリングデータを重ね合わせることで、「近隣住民か」「オフィスワーカーか」「競合店の常連か」といった高度なペルソナ分析が可能になる。従来の単なる「性別・年代」推測を超えた精緻なターゲティングが実現するインパクトは絶大である。
深山氏は、「店外と店内の分断という課題に対し、両データを掛け合わせることでシームレスな効果計測を実現した」と強調する。狙ったターゲット層へ適切に広告が届いているかを数値で確認できることは、マーケターがメディア投資の妥当性を判断する上で極めて重要である。
B2Bビジネス本部 統合戦略部門 ビジネスディベロップメントマネジャー
深山 大輔氏
さらに、これらの蓄積データは配信の自動化にも貢献する。曜日や時間帯ごとの客層変化をAIが学習し、その場の来店者に最適なコンテンツを自動で出し分ける「プレイリスト生成」など、より高度なリテールメディア運用への足がかりとなっている。
この記事は参考になりましたか?
- MarkeZine Day 2026 Autumn連載記事一覧
-
- リテールメディアのブラックボックスを解消!エッジAI×人流データで実現するフルファネル計測
- 「どんな認知がほしいか」を自社で定義する。コラントッテ、Tuissに学ぶデジタル認知施策の...
- 母親とお出かけ、同性の友人に誕プレは男女ともに当たり前? 最新データから紐解くZ世代の価値...
- この記事の著者
-
MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)
デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:ソニーマーケティング株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
