事前利用者は来館・契約率が高かった
「価格を早く見せると、比較されて来館が減るのではないか」。導入を検討する式場から、そうした懸念を伺うことがあります。
結論から言えば、私たちの検証では、事前の価格開示が来館や契約を妨げる結果は見られませんでした。テスト運用時の利用者105人を対象とした調査では、8割超が「利用後に式場への信頼度が上がった」と回答しました(※2)。
2025年4月から2026年3月、T&Gで予約後にmieruuparkへのリンクをメールで案内した対象者を集計すると、事前利用者は未利用者と比べて、予約後の来館率が13.1%、契約率が7.7%高い結果でした。事前利用率は30.9%です(※3)。利用の有無は無作為に割り付けておらず、利用者の検討意欲などが結果に影響した可能性があります。因果関係は断定できませんが、価格開示が来館や契約を妨げなかった事例といえます。
また、費用への納得にも変化が見られました。ある式場では、導入前の2024年4月から11月と導入後の2025年4月から11月を比べると、Wedding Parkの下見クチコミにおけるコスパ満足度が3.68から4.03へ0.35ポイント上昇し、総合満足度は4.5(5点満点)となりました(※4)。前後比較のため、mieruupark以外の施策や投稿者構成の影響は切り分けられませんが、値下げではなく情報開示で理解と納得を支えた事例です。
さらに、2025年12月から2026年7月に見積りを式場へ共有した270人を分析すると、約65%は、シミュレーション結果が初期見積りより高くなっても共有していました(※5)。
カップルが求めているのは最安値の探索だけではなく、「価格を理解した上で自分たちの優先順位を式場と相談できる状態」だと、私たちは捉えています。費用に対するカップルの認識が式場側に伝わることで、プランナーも価格の駆け引きよりも、提案やおもてなしの価値を伝えることに時間を使いやすくなります。
NPSでも関連が見られました。別の式場が2025年9月から11月に実施した比較では、mieruupark利用者群のNPSが未利用者群より10ポイント高い結果でした(※6)。
この式場は高価格帯のため、漠然とした費用への不安が意思決定の妨げになっていると仮定し、これまでWebサイトなどでは示せなかった具体的な費用感や、会場・装花・衣装などの選択肢をmieruuparkで見せていきました。
無作為比較ではないため、利用がNPSを押し上げたとは断定できませんが、見学前の価格理解と推奨意向の関係を検証する手掛かりになります。
「検討期間」の信頼がNPSと結びつく
長期検討商材では、購入前の検討期間も顧客体験の一部です。ウエディングパークが調査したNPS統計データ(※7)では、挙式後の回答で推奨度との相関が高かったのは、「準備期間から結婚式当日を通じて、プランナーを信頼できており、意思疎通が図れていましたか?」「準備期間から結婚式当日を通じて、プランナーの接客や対応から、一生懸命さ・誠実さは感じられましたか?」でした。
出典:ウエディングパーク「2万件のカップルのNPS統計データを公開」(2026年3月)
(クリックすると拡大します)
これらは、アドバイス、返答スピードや正確性よりも相関性がやや高い傾向がありました。相関であり因果ではありませんが、準備期間に積み重ねた信頼や誠実さがファン化の条件であると考えられます。mieruuparkで見られたNPSの差(※6)も、こうした傾向と重なるものだと私たちは考えています。
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永井 美波(ナガイ ミナミ)
株式会社ウエディングパーク OA本部 戦略責任者
2018年新卒入社。エンジニアとして複数メディアの開発、チーフエンジニア、エンジニアリングマネージャーを経験。2023年からBTOとして経営チームの議論に参画し、現在はmieruuparkをはじめとする主に新規事業領域の事業戦略を担う。(OA=ウエディングパークが掲げる「おもてなしオートメーション」の略)※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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