口コミはどうやって生まれ、広がるのか
ただし、言及在庫があるだけで、口コミが生まれ、広がっていくわけではありません。
生活者の頭にネタが入り、それがUGCとして投稿され、次の生活者に届くまでには、いくつかの段階があります。その流れを整理したのが次の図です。
口コミの起点になるのは、商品やブランドについて語るためのトピックです。新商品や限定品の発売情報、使い方の提案、CMや広告といった企業からの発信に加え、実際に商品を使った体験や、他の生活者が投稿したUGCもトピックになります。こうした情報や体験に触れることで、生活者の頭の中に言及在庫が溜まっていきます。
次に必要なのが、「人に教えたい」「共感して欲しい」「記録に残したい」といった投稿する理由です。ただし、こうした発信する動機が生まれても、必ず投稿されるとは限りません。
投稿するまでには、商品名やハッシュタグが長くて打ちにくいといった手間の問題や、人に知られたくないといった心理的なハードルがあります。それでも誰かに伝えたいという気持ちがハードルを上回ったとき、言及在庫がUGCとして投稿されます。
投稿されたUGCは、フォロワーのタイムラインや、プラットフォームのおすすめ、SNS検索を通じて、別の生活者の目に触れます。そのUGCに含まれる情報が新たな言及在庫となり、次のUGCにつながっていきます。
この循環は、ホットリンクが提唱する購買行動モデル「ULSSAS(ウルサス)」とも重なります。
口コミを生み、広げる3つのルール
この流れを踏まえると、口コミが増えないときは、トピック、投稿、拡散のどこかで流れが止まっていると考えられます。口コミを生み、広げるために押さえておきたいのが、次の3つのルールです。
- ルール1 生活者が語れるトピックを増やす
- ルール2 発信動機を高め、投稿のハードルを下げる
- ルール3 UGCが他の生活者へ広がる経路を作る
ルール1 生活者が語れるトピックを増やす
言及在庫のもとになるトピックを増やすことです。「買った」「おいしかった」といった報告だけでなく、使う場面や組み合わせ、季節の話題なども、生活者が語れる切り口になります。
たとえば調味料なら、味の感想だけでなく「鍋に使った」「余った野菜をアレンジできた」「家族に好評だった」といった利用シーンや体験もトピックになります。こうした切り口の見つけ方や評価方法を、第2回で詳しく解説します。
ルール2 発信動機を高め、投稿のハードルを下げる
生活者に「誰かに伝えたい」という動機が生まれ、投稿の手間や心理的な抵抗を越えたとき、言及在庫はUGCとして投稿されます。見本やお題を示す、覚えやすいハッシュタグにするといった工夫を、第3回で紹介します。
ルール3 UGCが他の生活者へ広がる経路を作る
生まれたUGCを、次の生活者に届けることです。どれだけ良い口コミが生まれても、届くべき人に届かなければ、次の言及在庫にはなりません。狙った層にUGCを届ける考え方を、第4回で取り上げます。
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増岡 宏紀(マスオカ ヒロキ)
株式会社ホットリンク 執行役員COO
2016年にホットリンクへ入社後、SNSコンサルタント・プロモーションプランナーとして企業のSNS戦略立案や運用支援に従事。現在は執行役員COOとして、新規顧客の戦略設計から実行支援までを統括。業界イベント・セミナーへの登壇、マーケティング専門メディアへの寄稿・取材実績も多数。20...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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