Z世代は自己肯定感が低くかわいそう?
「SNSの比較で自己肯定感が低い」と言われる点も、実像は異なる。「自分の限界を知っている」割合は増えたものの、「自分らしさは自分で持っていれば人に伝える必要はない」「自分のことが好きだ」という肯定的な回答も増加している。
たとえば、ある女性誌の表紙に使われている言葉を比較すると、1994年には「勝負」「対決」という言葉が大きく使われているが、2024年は「自分史上最高」という表現に変わっている。
「比較対象が『他人』から『自分自身』になり、ありのままの自分を受け入れるようになっているのです」(酒井氏)
また、「低成長時代でかわいそう」という外からの見立てに反し、生活満足度や幸福感、楽しさを感じている若者の割合は1994年よりも大きく向上している。この背景には、後述する人間関係の構造変化が存在する。
母親と一緒が普通? メンター化する母親たち
若者の生活充実感を支えているのが、「母」との緊密な関係だ。「尊敬している親」「アドバイスに従う相手」で母親が父親を大きく逆転したほか、喧嘩相手、リラックスして話せる相手、悩み相談相手のすべてで母親がトップクラスを占める。酒井氏は、女性の進学率上昇と就業率向上がこの変化をもたらしたと分析する。
「進学や仕事の経験を持ち、社会の厳しさを知る『できる母』が増えました。結果、子どもが思春期を迎えてもキャリアや進路の的確な相談に乗れるようになり、関係が継続しています」(酒井氏)
「2人で一緒に出かける相手」として母親を選ぶ男性は38.8%から66.9%へと急増。母親と飲み友のように飲酒をしたり、「推し活」のライブへ行く若者も珍しくない。母子へのインタビューでは、自身が若者だった頃とは異なり、様々な情報を共有してくれる我が子に戸惑いつつも、踏み込みすぎないよう努める母親の姿もうかがえた。
「親と一緒にいることへの屈託や恥ずかしさは完全になくなりました。Z世代にとっての母親は、寄り添いながら先回りして助言をくれる『メンター』のような存在です」(酒井氏)
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)
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