誰もが気軽に利用できるネットオークション。出品者、購入者の両方とも増えていますが、それと同時にトラブルも増発しています。今回はネットオークションに関する疑問を取り上げました。(その2はこちら)

回答
ネットオークションの利用規約やガイドラインでは、「手段を問わず、入札価格を操作することは禁止されています」などの規定を設けて、価額の吊り上げ行為を含む入札価格の操作を禁止しています。そのため、本件における友人の行為は、ネットオークションの利用規約やガイドラインに違反しており、民事上、ネットオークションの設置者などから、利用規約などに基づきID削除の処分を受けたり、場合によっては損害賠償請求を受ける可能性があります。
また、この友人の行為は、ネットオークションの参加者を欺く行為と言えますので、刑事上、詐欺罪(刑法246条)の成否が問題となります。詐欺とは、人を欺いて財物を交付させ、その占有を取得し、ないしは財産上の利益を得る行為をいいます。そして、人を欺く行為のことを「欺罔行為」といい、一般人をして財物・財産上の利益を処分させるような錯誤に陥れる行為がこれに該当します。

したがって、ネットオークションの参加者に対し、価値のない物を価値のあるものと誤信させて高額で落札させるために、複数のIDを利用して入札行為を繰り返して価額を吊り上げる行為は、「欺罔行為」に該当する可能性があります。そして、出品者による「欺罔行為」により、ネットオークションの参加者が、出品物を価値があるものと誤信して高額で落札して出品者に代金を支払った場合、詐欺罪が成立することになります。
米国では、美術商ら3人を詐欺などの容疑で逮捕されたケースも
ただし、「欺罔行為」は、単になんらかの意味で騙す行為というだけでは不十分で、財物の交付等の処分を導くようなものでなければなりません。
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笹倉 興基(ササクラ コウキ)
弁護士(東京弁護士会所属)。1995年早稲田大学法学部卒業。1999年弁護士登録。黒田法律事務所において、特許権、商標権及び著作権といった知的財産権に関する案件、ベンチャー企業の支援を担当している。また、M&A・事業再生・リストラクチャリングや民事再生などにも注力しており、ビジネス法務の分野において第一線で活躍中。ネットビジネスに関連する法律に精通している。
www.kuroda-law.gr.jp※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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