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店頭業務を変革する資生堂ビューティー・タブレット

2014/07/14 14:00

 オムニチャネル、O2O、スマートデバイス、アジャイル……。ここ数年、毎年のように新たな技術や手法が登場しており、それに伴い企業は対応を迫られている。“マーケターマインド”を持つ、様々な業種・職種の方を取材していく本連載。今回はマーケティング力強化を掲げ、果敢な挑戦を行う資生堂の亀山満氏に大元氏が迫った。

マーケティング力強化を掲げる、資生堂の挑戦

 ここ数年、マーケターが向き合うべき新たな技術や手法が次々と登場し、それに伴いマーケターが向き合うべき課題も大きく変化している。多岐に渡るこれらの要素をいかに企業活動に取れいれるべきか、多くの企業は果敢に挑戦している。しかし、その多くは個々の技術をプロモーションや個別のプロジェクトに留まって採用しているというのが実態ではないだろうか。

 これらを企業活動の根幹にまで組み入れることに成功している企業は、恐らく世界的に見てもそれほど多くはないだろう。実は日本企業の中に、世界的にも類を見ない規模で先進的な取り組みを行っている企業が存在する。それが今回紹介する「資生堂」だ。

 同社はより顧客の声を収集し、素早く対応するために果敢な挑戦を続けている。今回は資生堂グループの情報システムを担う、資生堂 情報企画部長 兼 資生堂情報ネットワーク 代表取締役社長 亀山満氏にお話をうかがった。

アップルも認めた、世界的にも類をみないプロジェクト

(左)資生堂 情報企画部長 兼 資生堂情報ネットワーク 代表取締役社長 亀山満氏
(右)伊藤忠テクノソリューションズ ITビジネスアナリスト 大元隆志氏

――資生堂では「ビューティー・タブレット」と呼ばれる取り組みを行われていますが、これはどういったものなのでしょうか。

亀山氏:資生堂には約1万人の「ビューティーコンサルタント(以下、BC)」が在籍しています。百貨店や化粧品店などの店頭に立ち、お客さまと資生堂の接点になる重要な役割を担っています。

 このBCの活動をITで支援し「現場力をアップ」するシステムが「ビューティー・タブレット」です。2013年6月に1万台のiPadを配布しました。このタブレットで勤怠管理や業務日報の入力、社内コミュニケーションといった業務支援と、スマートカタログやメイクアップシュミレーターやファンデーションファインダー、スキンケアなどのコンサルテーションアプリを用いて接客対応を行います。

――1万台を超えるとは、とても大きな規模ですね。

亀山氏:そうですね、このプロジェクトにはアップルさんにも関わってもらっていたのですが「この規模でiPadを接客用途に使うのは、世界的にも類をみない挑戦だ」と言われました(笑)。実は、iPadを配布して約1年になるのですが、今までメディアからの取材等は断っていました。

 展開初期は、全国で1万人規模の活用ですから、ネットワークの問題やパスワード忘れの問題、ソフトのバージョンアップ対応など多くの課題が顕在化しました。加えて、それぞれの販売現場でお客さまに応対しながら、ビューティー・タブレットを使いこなすには、いろいろなノウハウを積み上げていくことが必要だったからです。資生堂の事業の方々、BCの方々、そしてサポートしていただいたITパートナーの皆さんと一緒に、一つひとつ解決してきて、やっと今年に入ってその威力、効果が実感できるようになってきました。

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