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会員登録率が平均で3割向上!KLMオランダ航空も活用するCIMツール「GIGYA」の魅力とは

3つの課題をクリアする「CIM」とは?

 では、One to Oneマーケティングにおける様々な課題をクリアするために、企業はどうすべきなのだろうか。嶋田氏はその1つの解として、「CIM(Customer Identity Management)」を挙げた。CIMとは、顧客データの活用と管理を両立するソリューションだ。CIMで必要となる要素は、以下の3つ。

  • IDの認証・登録などの機能を一元化するための顧客ID統合
  • 顧客データ管理を実現する「同意状況」の管理
  • APIを経由した各種マーケティング・プラットフォームとプロファイル情報の連携

 嶋田氏はCIMの代表的なツールとして、SAPが提供する「SAP Customer Data Cloud from GIGYA」(以下、「GIGYA(ギギャ)」)を紹介した。同ツールは、オムニチャネルで顧客IDとデータを統合し、それを連携した異なるサービス間で利用することができる。そのため顧客は会員登録などの際、各サイトで定義された必須項目を入力するだけで会員登録が可能になる。たとえば、コンテンツサイトではメールアドレスとパスワードのみ登録し、ECサイトを利用するときに住所情報だけを追加すれば、会員として利用することができる。

 また「GIGYA」は、プロファイル情報の一元管理を実現。連携した複数のサービスにおける顧客の利用状況に応じた情報提供が可能となる。既存のグループ会社のサービスに対して、親会社の顧客IDでログインできるID連携機能も提供している。

KLMオランダ航空がSNS連携によって登録率の改善を実現

 嶋田氏は続いて、「GIGYA」を活用したSNS連携に触れた。同ツールでは、顧客IDの統合によって、FacebookやTwitter、LINEなど世界29以上のSNSとの連携に対応。ブラウザの言語設定に応じて顧客の属性を把握し、適切なSNSを連携先として提示することが可能だ。「SNSと連携した場合はパスワードの登録が不要」という設定にした場合、顧客はわずか2回のアクションで登録を済ませることができるという。SNS連携によって、顧客から許諾を得た上で、Facebookでどのページに「いいね」をしたかなども知ることができる。

 KLMオランダ航空では同機能を活用し、会員登録の増加を実現。GIGYA社が実施した同ツール導入企業への調査によると、導入後、会員登録率は平均で33%向上し、再ログインなどのエンゲージメントも平均して15%以上向上したという。

 「インバウンドを意識した訪日外国人向けの会員化施策などで活用していただいています」(嶋田氏)

オーストラリア版「GQ」のサイト運営会社では広告収入が約25%向上

 嶋田氏はさらに、「顧客情報のアップデート」に対しては、「GIGYA」の「プログレッシブ・プロファイリング機能」が有効だと述べた。

 「プログレッシブ・プロファイリング機能」は、たとえば「顧客がn回目にログインした」または「初めて特定のカテゴリーの製品を閲覧した」といったタイミングで1問程度の簡単なアンケートをとり、顧客情報の更新を促す機能だ。ポップアップで出現するアンケートは、回答もポップアップを消すアクションも手軽で、クリックされやすい。これによって、顧客の最新の興味・関心に関する情報などが取得でき、マーケティングオートメーション(MA)における効果の最大化にも貢献する。

 オーストラリア版の「GQ」や「VOGUE」などのメディアサイト運営を行うオーストラリアのNewsLifeMediaでは、「GIGYA」を使って10以上のサイトで別々に管理していた顧客IDを統合。DMPやセールスフォースの「Marketing Cloud」といったマーケティングツールと組み合わせることで、顧客情報に合わせた記事のレコメンド機能を実装。メンバー登録率が従来比で約8倍となり、広告収入も約25%向上したそうだ。

 また、粉ミルクを販売する仏ダノングループのヌトリシアでは、顧客をより理解することを目的に、「MyNutricia」というサイトを構築。妊婦向けの情報発信を始めた。同サイトでは、会員登録の際に「妊活中」「予定日が決まっている」「産後間もない」「産後1年以上経過」という4種類の中から自身のステータスを選択する仕組みとなっている。この情報と、Webサイトの閲覧記事やPC/スマホのどちらでアクセスをしているかなどの情報によって、顧客に合わせたコンテンツ配信を行う。

 また同社は、「粉ミルクの購入サイクル」を把握するため、ログインをして購入するタイプの自動販売機を設置。それぞれの購入のタイミングに応じて情報配信を行うOne to Oneマーケティングを実現した。その結果、会員登録数は1.5倍の成長を遂げ、DAU(日間アクティブユーザー)数は2倍以上となった。

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マーケティングツールとの柔軟な連携が可能に

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにしたソフトハウスの経営とライターの二足の草鞋を履いている。DB Online チー...

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/07 14:48 https://markezine.jp/article/detail/29398

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