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広がる企業の音声活用!聴覚に訴えるマーケティングを探る

市場規模が4年間で35倍 急拡大する日本のデジタル音声広告をSpotify広告グローバル責任者が語る


広告収入が4年で2.5倍 広告技術の開発を行うSpotify

——Spotify広告の概要と強みを教えていただけますか?

 Spotifyが提供する主要な広告は、音楽を聴いている無料プランのユーザーに対して曲と曲の合間に最長で30秒配信される音声広告です。音声広告はスキップができないため、完全視聴率は90%以上になります。プレイリストや、曲のジャンル、ユーザーの嗜好性に合わせた細かなターゲティングも可能なため、企業のブランドイメージに合わせた広告接触を生み出せることが大きな強みとして挙がります。

 また、このような細かなターゲティングは、リスナーからのエンゲージメント構築にも効果を発揮しています。なぜなら、パーソナライズされた広告配信により、リスナーに自身の好みを理解しているブランドであると示すことができ、信頼につながるためです。実際、Spotifyの広告は特に若者からの支持が強く、日本国内のZ世代の約40%はソーシャルメディアで広告を見るよりもSpotifyで聴く広告のほうが信頼できると回答しています。(出典:Culture Next 2023

 業界の中でも新たな広告技術の開発も積極的に行っているのも特徴的です。日本でも2023年12月からポッドキャストへの広告配信も導入しました。このように広告事業に力を入れていることもあり、Spotifyでは、2019年と比較して2023年の広告収入は2.5倍にまで増加しています

——音声ストリーミングは他にも多くある中でのSpotifyの優位性をどのようにお考えですか?

 Spotifyでは、フリーミアムモデルを導入しているため、無料会員・プレミアム会員を問わず、音楽やポッドキャストなどすべてのオーディオコンテンツにアクセスできます。一方、クリエイターもこのビジネスモデルのおかげで、無料会員からは広告収入、プレミアム会員からはサブスクリプションと、収益を得ることができます。このように、誰にとってもメリットがあるプラットフォーム作りができている点は他のプラットフォームと比較しても優位性があるといえるでしょう。

プロダクトの優位性に関する早期の理解獲得が日本市場でのシェア拡大のカギ

——Spotifyの日本での戦略についてどのようにお考えかお聞かせください。

 音声広告市場の観点からも、日本は急拡大している重要な市場の一つです。デジタルインファクトが2020年に行った調査によると、2019年時点で7億円だった市場規模が、2025年には420億円まで拡大すると予測されています。Spotifyのユニークビジターベースで見ても、2023年は前年比で34%増加しています。

 しかし、これだけ大きな市場であるにも関わらず、デジタル音声広告は立ち上がったばかりです。だからこそ、新たなテクノロジーやプロダクト、デジタル音声広告の啓蒙活動に対して積極的に投資を行い、Spotifyが市場をけん引していきたいと考えています。

——日本でこれだけユーザーを伸ばすことができている要因を、市場の拡大以外にはどのようにお考えですか?

 日本国内でも2016年にSpotifyのサービスを開始して以来、マルチデバイスで利用できることの利便性や、パーソナライゼーションによる個人最適化された没入感のあるリスニング体験といった提供価値を多くのユーザーに理解していただけたことが大きいです。特に若年層にとって、カルチャーやライフスタイルに欠かせない「日常のサウンドトラック」としてポジションを確立できました。

 さらにここ数年では、様々な人気アニメ作品との提携や、熱量の高いファンを多く抱えるアーティストとのコラボレ―ションも積極的に行っています。これにより、これまでストリーミングサービスを利用してこなかった層にもアプローチができ、ユーザー層をさらに広げることができています。

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アーリーアダプターによる広告活用で効果を実証する

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。新卒で人材派遣の会社にて営業職を経験し、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/20 16:18 https://markezine.jp/article/detail/44203

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