Brazeで「実験」、購入回数10%向上を確認して本開発
——顧客との対話という方針と、CCという指標のお話をうかがいました。では戦略を具体的な施策に落とし込むためにどのようなことをしていますか?
前本:戦略を具体的に落とし込み、実行するために当社が活用しているのがBrazeです。主に2つの使い方をしています。
1つ目は、アプリを利用するお客様とのコミュニケーション全般です。プッシュ通知、アプリ内メッセージ、LINEの送受信など、お客様へのコミュニケーションはほぼすべてBraze経由と言っていい状況です。
2つ目は、プロダクト開発における「実験の場」としての活用です。エンジニアリソースをかけて機能を開発しても、お客様に響かないことは珍しくありません。できるだけリスクを抑えた状態で開発に入るために、マーケ側がBrazeでテストをし、リフト効果が確認できてから開発に移すことで、無駄な投資を防いでいます。
たとえば、特定の行動をしたお客様にクーポンを配布する施策があります。本来であればクーポン配布の仕組みやメッセージ配信の制御など、多くの開発工数が必要です。しかしBrazeのイベント起点による配信自動化と、「Liquid」言語を使い、一人ひとりに合った動的なメッセージの出し分けを組み合わせることで、実装に近い体験を事前に再現できました。実際に試したところ、対象セグメントの購入回数が約10%向上する結果に。これをもとに本格開発への移行が決定しました。

準備から結果確認まで1週間ほどなので、スピーディーにPDCAを回せます。また、結果ありきで開発を依頼できるので、プロダクトチームの納得感も高まっています。
Braze MCP×Claude Code×BigQueryでマーケターは「問い」に集中
——Brazeを使った実験で効果が確認できたら本格開発へ、という流れは非常にスムーズですね。打ち手を継続的に改善していくには、データを活用した仮説立案と検証が欠かせないと思います。
前本:当社ではBraze MCPとClaude Code、BigQueryを組み合わせ、マーケターは「問いかける」だけで分析が完了する仕組みを構築しています。たとえば「このキャンペーンの配信対象者と非対象者で、7日後のリテンションレートに差があったか分析して」と自然言語で投げかけると、Braze MCPからキャンペーンIDや配信期間などの情報を取得し、それをもとにBigQueryを叩いて実際の配信対象者・クリック者のその後の行動やLTVまで自社データと紐付けて分析します。

さらに分析レポートとグラフの生成、ネクストアクションの提案まで一気通貫でスピーディーに出力されます。これまで数時間から半日かかっていたリードタイムが数分にまで短縮されました。
特に、施策を実施した後の振り返りがスピーディーになりました。「大変だから後回しにしよう」という心理的な障壁が消えたので、やりっぱなしにならない。すぐに次の施策を考えられるようになっています。
——スタートアップは予算も限られているかと思います。Brazeはその観点でいかがでしょうか?
前本:1つの施策で想定以上の成果を得ることも多く、ROIとしては間違いなくプラスです。定性的な価値も大きいと感じています。たとえばアプリ上でインシデントが発生した際に、Brazeを用いて該当するお客様に対して即座にポップアップメッセージを届けられています。お客様が問い合わせフォームを探して連絡するのと、それより早く「現在調査中です」と問題を把握している旨をお伝えするのでは顧客体験がまったく異なります。Brazeを用いることでマイナスの発生も防げているのです。

