物価高への捉え方の違いから見えてくる「3つの生活者タイプ」
現在の物価高の局面において、生活者全体では購入個数を減らすことで支出全体を調整していることがわかった。しかし、物価高に対する反応は本来、生活者によって様々なはずである。
そこで本稿では、「1. 生活者が物価高をどのように捉えているか」という意識データから潜在クラス分析という手法に基づきグループ分けを行う。そのうえで、「2. グループによって行動がどう異なるのか」というより詳細な実態を見ていく。
まず、「1. 生活者が物価高をどのように捉えているか」という意識に基づくグループ分けでは、インテージ「SCI」のモニターが回答した「もしいつもの商品がいつものスーパーで10%値上がりしたらどうするか」という物価上昇時の対応7パターンへの当てはまり度合いを指標として用いる。
「もしいつもの商品がいつものスーパーで10%値上がりしたらどうするか」
- 対応パターン
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維持 |
今までと同じように買い続ける |
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節約(量・頻度) |
量や頻度を落として節約する |
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節約(質を下げる) |
質は落ちるが値段の安いブランドにする |
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節約(同価格・店変更) |
いつもの価格で売っている店を探す |
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拒否(店に行かない) |
値上げした店には今後行かない |
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共有(知人) |
その店で値上げしたことを周りに知らせる |
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共有(SNS) |
その店で値上げしたことをSNSに書く |
- 選択肢
よく当てはまる/当てはまる/あまり当てはまらない/まったく当てはまらない
- 調査期間
2025年11月~2026年1月の各月
図表3は分類結果である。
出典:「物価に関するアンケート調査(2025年11月~2026年1月)」
ベース:本調査回答者全員
サンプルサイズ:期間計 n=23,941(2025年11月:n=9,313、2025年12月:n=7,301、2026年1月:n=7,327)
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「ハードリアクション層」は全体の約11%を占める。働く中高年男性に多く、節約に敏感だ。値上げした店舗を避けるだけでなく、その情報をSNSなどで周囲に共有するアクティブな性質を持つ。
「生活設計型・徹底節約層」は全体の約48%を占め、中高年の既婚女性や主婦層が多い。安さを求めて店舗を能動的に使い分けるが、情報共有はせず、個人の生活設計の中で徹底して節約を実践する。
「現実受容型・マイルド対応層」は全体の約41%を占め、高齢寄りの落ち着いた層である。いつもの店舗で買い物を続けつつも、購入する量や質を少し落とすことでマイルドにバランスを取る。
生活必需性の高い「食パン」は物価高でも消費をキープ
では、この物価高に対する意識の差は、実際の食品選びにどう表れているのだろうか。ここからは「2. グループによって行動がどう異なるのか」という、実態の部分を見ていく。具体的には生活者が実際に購入した食品カテゴリーについて、「平均個数単価」と「購入個数(100人あたり)」で比較する。
まず、生活必需性の高い主食の1つである「食パン」ではどうか。購入された平均個数単価を見ると、全体の傾向として、物価高が始まった2022年以降、上昇傾向にあることがわかる。グループ間で平均個数単価に違いが見られ、物価高に敏感な「ハードリアクション層」ほど低く、比較的物価高を受容している「現実受容型・マイルド対応層」ほど高いことがわかる。
SCI(エリア:全国)※調査に回答したSCIモニターに限定し、3層に分類して集計
指標:平均単価(個数)
集計対象:食パン
期間:2022年1月~2026年5月
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一方、購入個数(100人あたり)で見ると、全体としては物価高が始まった2022年以降でも大きな変化はなく、おおむね横ばい傾向が続いている。生活必需性の高い主食の1つである食パンにおいて、生活者は物価高や賃金の実態に関わらず、一定程度買い続ける傾向があることがわかる。またグループ間の違いを見ると、「生活設計型・徹底節約層」が最も高く、「ハードリアクション層」が最も低いことがわかる。物価上昇に対する意識の違いによるグループ分けからも、主食の消費性向が異なることが確認できる。
SCI(エリア:全国)※調査に回答したSCIモニターに限定し、3層に分類して集計
指標:100人あたり(個数)
集計対象:食パン
期間:2022年1月~2026年5月
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