マーケ組織立ち上げの最初の6ヵ月で取り組むべきこと
松本:本連載のテーマは「マーケティング組織を立ち上げて最初の6ヵ月でやること」です。もちろん業界や会社の規模によるとは思いますが、インサイドセールスの立場から見たとき、立ち上げたばかりのマーケティング組織に期待することは何でしょうか?
茂野:最初に取り組むべきは、計測体制の構築です。私自身、これまで様々な会社の現場をご支援してきましたが、初期段階で最も多い問題が「正しい数字を把握できていない」ことです。

茂野:同じ組織内であっても、人によって見ている数字や認識が異なっていることが非常に多いものです。その状態では現状を正しく把握できず、安心して次の施策というアクセルを踏めません。だからこそ、まずは必要な数字を正しく計測できる体制を整えることが重要だと思います。
また立ち上げ初期だと、早い段階で成果を示し社内の信頼を得ることも大切です。そのため、即効性のある施策を早めに打つことが重要だと思います。たとえば展示会は一定の成果を見込みやすく、マーケティング組織の存在感を示す機会にもなります。加えて、専門の担当者がいないと手が回りにくい「事例制作」も、特に日本市場においては重要視されるため、初期に取り組む価値が高い施策です。
部門間のフィードバックをどう仕組み化するか?
松本:マーケティングとインサイドセールスの連携についてお伺いします。BtoBマーケティングに長く携わってきた身として痛感するのは、マーケティング組織は顧客と直接会話する機会が少ないことです。だからこそ、インサイドセールスが顧客接点から得た「一次情報」のフィードバックは非常にありがたいのですが、現場にとっては手間だとネガティブに受け取られることもあり、組織的に情報を還流させる難しさも感じています。社内連携を活発にするためには、どのような仕組みが必要だと思われますか?
茂野:ファネルは、上から下へ、あるいは左から右へと流れていきますよね。だからこそ、情報は逆流させたほうが良いと僕は思っています。カスタマーサクセスは受注を担当した営業に、商談を受け取った営業はインサイドセールスに、リードを受け取ったインサイドセールスはマーケティングに、それぞれフィードバックするべきです。
ただ、手間がかかりますよね。ですから、すべてを録音して、フィードバックが自動的に流れる仕組みを作れば良いんです。
たとえば、インサイドセールスが顧客と日々交わしている会話の音声を生成AIで要約し、マーケティング側が受け取る。必要に応じて、元の会話を確認しても良いでしょう。そうやって顧客の情報を浴び続けていれば、マーケティング側にも仮説が生まれるはずです。その上で、「要約を読むと、この訴求は強いが、このニーズは拾えていないようです。だから、次の施策ではこうしたいが、インサイドセールスとしてはどう思いますか」と尋ねれば、インサイドセールス側もすごく答えやすいですよね。
