情報収集から購入まで、AIが担う時代へ
今回の「Google I/O 2026」では検索窓の刷新だけでなく、AIエージェントに関する新機能も発表されました。それが、ユーザーの代わりに24時間情報を集め続ける「情報エージェント(Information Agents)」です。
Googleが例示した内容では、「理想の部屋探しをしているとき、希望する細かい条件を頭に浮かぶままエージェントに提示すると継続的に探し続け、条件に合致する物件が出た際に通知する」というもの。様々な検索行動を代替できそうな機能です。
Googleの親会社であるAlphabetのCEO サンダー・ピチャイ氏は、基調講演で「エージェント型Geminiの時代に本格的に入った」と宣言しました。同氏は、AIエージェントが情報収集から購入までを担う未来にも繰り返し言及しています。
この流れを突き詰めると、サービスを探し、比較し、選び、購入する一連の行動をAIが進め、人間はそれを承認するだけ、という形に近づいていくでしょう。
もちろん、すべての意思決定がすぐにAIへ移るわけではありません。高額な商品や慎重な判断が必要な領域では、人間が自分で調べ、選ぶ場面はこれからも残るでしょう。それでも、日常的な調べものや買い物など、様々な行動をAIに任せる機会が増えていくのは間違いありません。
Web担当者が備えるべき2つのポイントとは?
こうした検索市場の変化に対して、Web担当者は具体的に何をすべきなのでしょうか。結論から言えば、やるべきことの本質はこれまでと大きく変わりません。ただし、人間の代わりにAIエージェントがサービスを探し、比較し、選ぶようになることは意識すべきでしょう。
本章では、AIを軸に考えてやるべきことを2点解説します。
(1)AIが納得できる材料を用意する
1つ目は、AIが納得できる材料を用意することです。AIは抽象的な表現やイメージ画像から想像を膨らませることはなく、サービスを実際に使うこともできません。そのため、企業のブランドイメージよりも、客観的な事実を基に条件を絞り込み、第三者からの評判で主観的な意見を補完することで人間の思考に近い回答を作り出します。
たとえば、理想の部屋を探しているとき、人間であれば希望条件で絞り込んだ後は部屋の写真や街のイメージで住んだ際のメリットを想像することは多いでしょう。
一方、AIは部屋の間取りや家賃、周辺情報などのデータから希望条件にマッチするか確認し、マッチする物件についての口コミや第三者の評判を取得して回答データを組み立てます。AI自身で街のイメージや部屋の雰囲気を判断できないため、第三者の評判に頼るわけです。
そうなると、まずはユーザーの希望条件にマッチするか判定できる情報をWeb上に掲載することが第一関門となります。
人間が相手であれば「詳細は要問い合わせ」としても、問い合わせてくれる可能性はありますが、AIはWeb上の情報で判断できない時点で候補から外すことが多いでしょう。そのため、ユーザーのニーズに合わせたケース別の詳細情報などを掲載できることが望ましいです。
そして、AIが推薦候補を決める決定打は第三者の評判です。AIは、感覚やイメージによる主観的な判断はできないため、第三者の評判でこういった要素を補完します。つまり、AIを納得させるためには「希望条件にマッチするか判定できる情報」と「第三者の好意的な評判」を蓄積する必要があるということです。
最終的に意思決定するのは人間なので、ブランドイメージなどもこれまで通り重要ではありますが、その前段階でAIに選ばれないと候補に残れないため、AIを納得させるための材料を増やすことはこれまで以上に重要な取り組みとなるでしょう。
