SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Autumn

SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

Xから予測する2026年秋冬の美容トレンド 「使い分け美容」が加速、部位別・状態別の提案が鍵に

2025年下期の傾向は?新トレンドより、既存トレンドが秋冬の行動へ変換された

 では、昨年下期には、どのような季節需要が見られたのでしょうか。

2025年下期に出現割合が増加した美容関連キーワードをコスメ・スキンケア・ヘアケアの3カテゴリー別に一覧化した表。コスメは「イエベ」「ブルベ」「クリスマス」「コフレ」「彩度」「パーソナル」など、スキンケアは「習慣」「毎日」「週」「詰まる」「ホルモン」「インナー」など、ヘアケアは「頭皮」「乾燥」「洗う」「補修」「保湿」「潤い」などが並ぶ
2025年上期から2025年下期にかけて出現割合が増加した美容関連キーワード
※クリックすると拡大します

 コスメでは、「秋」「冬」「彩度」「色味」「濃い」に加え、「イエベ」「ブルベ」「パーソナル」が増加しました。秋冬の深色自体は例年通りの再来と言えますが、Xでは「彩度薄めなのに盛れる」「メイク濃くしたくないけどしっかり盛りたい」と、低彩度を土台に一部だけを強くする方法が共有されました。

 「左がイエベ、右がブルベ」「全ブルベ夏はこれを買え」といった投稿は、パーソナルカラーを自己理解ではなく、ホリデーや大型セールで大量の商品を絞り込む購買フィルターへ変えています。

 スキンケアでは、「秋」「冬」「鼻」「詰まる」に加え、「習慣」「毎日」「週」が増加しました。夏の皮脂・角栓と秋冬の乾燥が連続する中、「黒角栓には左、白角栓には右」「鼻は皮脂、頬は保湿」と、落とすケアと補うケアが同じルーティンへ組み込まれました。

 「睡眠」「インナー」「腸」「ホルモン」も見られましたが、インナーケア自体は新しくありません。特徴的だったのは、「スキンケアに裏切られた」「高い美容液より、まず腸」と、外用で改善しない理由を身体の内側へ反転させる語り方です。

 ヘアケアでは、「頭皮」「皮脂」に加え、「保湿」「乾燥」「潤い」「補修」「纏まり」「艶髪」が増加しました。市場ではサロン技術を取り入れた高機能ホームケアが拡大する一方、Xでは「月1回の美容院より30日のホームケア」「泡立たないのは蓄積のサイン」「追い水でサロン帰り」と、毎日・週次の工程へ翻訳されました。

 2025年下期は、高機能商品が増えた時期であると同時に、高機能商品が効かない理由を洗浄・すすぎ・水の使い方から考え始めた時期だったと言えます。

2026年秋冬トレンド予測:「使うもの」だけでなく「休む条件」を提案する美容へ

 ここまで読み解いてきた、2026年上期に進んだタイプ・部位・頻度別の最適化と、2025年下期に見られた季節需要を組み合わせて、2026年秋冬のトレンドを予測します。夏の状態を一度診断し、必要な工程だけを秋冬仕様へ組み替えることがポイントになりそうです。

【コスメ】秋冬カラーを売るだけでなく、「どこを2割引くか」まで提案

 2026年秋冬のコスメは、低彩度のベージュやピンクを土台に、リップ、チーク、目尻など必要な部分だけへ深みを足す“部分盛り”が続くでしょう。

 ただし、「秋はプラム」「冬は濃いリップ」と色を紹介するだけでは、生活者の判断には足りません。顔タイプ、盛り耐性、目の形、昼/夜、写真/日常などの条件別に、どのパーツを強くし、どこを2割引くかまで示す情報が求められます

 ベースメイクでも、皮脂が気になるTゾーンは毛穴・崩れ対策、乾燥しやすい頬は保湿・密着、顔の外側は薄く仕上げるなど、秋冬に目立ちやすい皮脂と乾燥の混在に合わせたゾーン設計が進むでしょう。

 生成AIの美容プロンプトも、診断結果を返すだけでなく、ブランドの商品を使った複数ルックを比較する試作ツールへと進化しそうです。公式の塗布マップやタイプ別NG/OKを提供できれば、商品紹介を生活者自身の“似合わせ実験”へ変えられるでしょう。

【スキンケア】毛穴ケアの次の争点は、「鼻だけ」「頬だけ」と効く理由

 スキンケアに関しては、2026年秋冬も、毛穴・皮脂が最も盛況な悩み領域の1つであり続けるでしょう。夏の皮脂・角栓・紫外線ダメージを整理しながら、気温・湿度の低下による乾燥や赤みを防ぐ必要があります。

 PDRN、レチノール、アゼライン酸など、既に認知された成分への関心は継続すると見ています。2026年上期に見え始めた部位別の運用は、秋冬には、皮脂と乾燥が同時に起きる“混在肌”を前提とした商品・ライン設計へ進みそうです。

 Tゾーンと頬で剤形や使用量を変える提案、部分使いを前提にしたセット、肌状態に応じて使用頻度を調整できるガイドなどが、成分名の次の差別化になるでしょう。「鼻だけ油田」のような当事者語に対し、商品を一律に勧めるのではなく、皮脂・角栓・乾燥・炎症を見分ける判断ルートが求められます。

 同時に、技術買いはさらに進みそうです。どの構造へ届くのか、どのような塗膜やデリバリー技術なのか、医薬部外品として何が認められているのかを、生活者が選択に使える情報へ変換できるかが重要です。長い研究説明だけでなく、「この状態にはこの設計」「刺激が出たらここで休む」といった選択基準まで提示することが求められるでしょう。

【ヘアケア】夏の蓄積を落とし、根元は軽く、毛先は補修

 ヘアケアでは、夏の汗、皮脂、紫外線、スタイリング剤の蓄積をリセットしながら、秋冬の乾燥、静電気、摩擦へ備える需要が高まりそうです。

 2026年秋冬は、毎日のマイルドな洗浄、週次のリセット、毛先の集中補修を分けるルーティンがさらに具体化すると考えられます。根元は軽く、毛先は潤す。毎日用、週次用、雨や乾燥が強い日用と工程を分け、何を使うかだけでなく、「重い時はオイルを休む」「泡立たない時は蓄積を見直す」といった休止条件まで提案するブランドが支持されるでしょう。

 さらに、頭皮・髪質診断と、前髪・あほ毛・毛先の部位別ケアが接続しそうです。診断結果を商品セットで終わらせず、「今日はどこに何を使うか」を日々更新できるルーティンへ変えられるかがポイントになります。

次のページ
生活者の声が示すのは、「次に求められる使い分け」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
SNS起点で生まれるマーケティングトレンド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

奥村 咲香(オクムラ サキカ)

スパイスボックス Social Insight Lab.アナリスト
 プロデューサーを経て、スパイスボックス独自のSNSデータを活用した、SNSアカウント運用・オフライン統合施策・新規事業立案などを目的としたプロジェクトにおけるデータ活用・戦略立案に参画。現在はナショナルクライアントを中心に、各SNSプラットフォームを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/08/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/77124

Special Contents

PR

Job Board

PR

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング