売上高は過去最高を更新、大型顧客の離脱後に早く立て直せた理由
──2026年9月期 第2四半期決算では、広告事業が単独四半期で増収増益となり、過去最高売上に到達しました。業界では買収・統合による再編が進み、大型顧客の離脱影響もあったなかで、早く立て直せた要因は何だったのでしょうか。
まず、マーケット拡大が大前提にあるでしょう。インターネット広告業界は当社のみならず、全体として大きく成長している市場です。そのうえで、サイバーエージェントの強みは「進化する広告効果×ブレない営業力の高さ」に尽きると考えています。
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──その構造こそが、トップランナーであり続ける理由と言えるのでしょうか。
先に述べたように、技術力やAI力はもちろん重要ですが、それだけでは私たちの事業は成り立ちませんし、続きません。積極的に新規接点を作り、お客様の課題に向き合って、最適なソリューションを提案する変わらない営業力も必要。これらがバランスよく「両輪」で動くことが重要です。
泥臭いかもしれませんが、今でも私たちは新規営業の積極的なテレアポをしています。こうした地道な開拓の姿勢は変えていません。
AIによって「分業が再定義」される社会、広告代理店は何を提供すべきか?
──昨今は広告主がプラットフォーム上で簡単にクリエイティブを作れるようになり、インハウス化が進んでいる企業も増えていますよね。この流れをどう捉えていますか。
ここでいう内製化は、広告主が制作から運用までを自社で丸ごと抱えることを指しますが、昨今はAIによる内製化への関心が高まっていますね。ただ私は、いずれ落ち着いて「全てを自前でやるのは難しい」と考える企業が増えるのではないかと予測しています。
──それはなぜでしょうか。
本格的に内製化しようとすると、取り組むほどにコストがかかりやすい構造があるからです。自社でAIツールを契約し、AIエージェントの開発や、それを動かすためのクラウド環境も必要になってきますよね。しかし、AIに係るコストは年々高騰しています。
一方、私たちのようなプレイヤーのAIソリューションを使えば、広告主が個別にクラウドサーバーやAIの利用環境を整える必要はありません。広告効果としても、長年研究を続けてきた我々のAIに期待していただけると思います。費用対効果を考えると、多くの企業にとって「完全な内製化は難しい」という判断に落ち着くのではないかと思います。
──となると、プラットフォーマー・代理店・広告主という三者の構造はこれからも変わらないのでしょうか。
三者のなかの「分業」が再定義されることになるでしょう。これまで広告の企画、制作、入稿、運用、効果検証といった工程は、広告主、代理店、プラットフォーマーで分担されてきました。そこにAIが加わることで、どこからどこまでを担うのかリデザインされていきます。
代理店はその新たな分業のなかでどこを司ることができるのか、問われる時代になっていくでしょう。正しく分業ができれば生産性やパフォーマンスが高まり、結果的に産業は発展していくはず。それは昔から現代に至るまで変わらない、資本主義の本質です。
