事業活動ではリーチできない10代へ「ミライ肌アトリエ」でのファーストタッチ
MarkeZine:そのミッションに対するアクションの一つが『ミライ肌アトリエ』ですね。立ち上げの経緯を教えてください。
樋口:ミライ肌アトリエは、学生向けにスキンケアレッスンを行う取り組みです。少し前からテスト的に同様の活動を行っていましたが、2025年末から本格的に動き出しました。
先ほどスマートエイジングというフィロソフィーについて触れましたが、これはあらゆる年齢層のお客様を対象にするものです。私たちが目指すのは「生涯ブランド」。赤ちゃんからご年配の方まで、それぞれが自分らしく年を重ねていける──そうした世界を実現したいと考えています。
ただ、通常の事業活動では、まだ10代の学生の皆さんと接点を持つのは難しい。事業活動でリーチできないならば、別の形で最初の接点をつくろうと「ミライ肌アトリエ」を開始しました。

情報が多すぎる、人と比べてしまう……10代の美と個性にまつわる悩み
MarkeZine:美の価値観や手段が多様化しているいま、多感な時期にいる10代は、以前とは違う悩みを抱えていそうです。
樋口:そうですね。SNSで日常的に情報が入ってくる一方で、情報が多すぎて何が自分に合うのかわからない、人と比べて不安になるといった声は多いと感じています。また、コロナ禍でマスクをつける時期がありましたが、とある学校で「生徒の約3割がいまもマスクを外せない」ということを聞きました。マスクをする理由は、肌荒れが気になるから、コンプレックスを隠したいから。せっかくコロナが終息して、自分らしさを表現できる機会が増えているにもかかわらず、自分をさらけ出せないわけです。
MarkeZine:なるほど。レッスンでは、どのようなことを教えているのでしょうか。
樋口:レッスンを通じていちばん伝えたいのは、「自分の肌の状態、ひいては自分自身の状態を見つめ直したうえでスキンケアをしてほしい」ということです。肌の特性はもとより、美しさの基準は人それぞれです。まずは自分を知り、自分に合ったケアを選ぶ。「正解を教える」のではなく、自分軸で選ぶ視点を持っていただくことを大事にしています。
プログラムで重きを置いているのは、スキンケアの基本となる「洗顔」と「日焼け止め」です。肌の基礎知識やニキビ対策、日焼け止めの必要性などに関する座学から始まり、洗顔の正しい泡を自分の手で体験し、最後は日焼け止めまで実際に塗ってみる、という流れが基本です。
MarkeZine:「きれいにする美容」とは、少し違いますね。
樋口:そうですね。自分と向き合うセルフケアに興味を持ち、そういった時間や習慣を持つきかっけになればと考えています。
実際、レッスンをきっかけに洗顔をするようになったら、肌がきれいになって自己肯定感が上がり、マスクを外せるようになった生徒もいると聞いています。内面から自信を持っていただけたら、それこそが私たちの一番望んでいることです。人はその人らしく、いきいきとしているときが最も美しいですから。
