「感覚」から「データ」へ。MMMが導いたSpotifyへの投資価値
内海:1つ目の「寄与度」としては、対象が10媒体ある中で、Spotifyは指名検索数への寄与が2番目に高いという非常に良い結果が出ました。
2つ目の「今後の投資余地」は、広告投資額とそれによって得られる効果の伸びしろの関係を統計学的にモデリングし、サチュレーションカーブとして描き出すことで、この曲線の「傾き」の強さで多寡が理解できるようにしています。結果、Spotifyは傾きが急で、投資を増やせばさらに効果が伸びる余地が十分にあると判明しました。
──3つ目の「予算配分のレコメンド」について、具体的にどのような提案になったのでしょうか?
内海:様々な全体予算でシミュレーションしたのですが、たとえば当初からご相談されていた「全体予算を変えずに効果を最大化する予算配分」をシミュレーションしたところ、Spotifyへの予算は増額させるプランが最適解となりました。実際のレポートでは、年間予算のシミュレーションを行い、特定のメディアからどれくらい減額し、Spotifyへの投資をどれくらい増やしたほうが、純粋な指名検索数が伸びるというデータを詳細に提示しています。
久保田:我々としても、「1インプレッションの価値が異なるメディアを、感覚ではなく同じフィールドで評価したい」「全体の予算を変えずに最適解を導きたい」という2つの強い要望がありました。ノバセルさんの分析はまさにそれに合致するもので、ドラスティックな予算変更のシミュレーションを何パターンも行いながら、最適な配分を探ることができました。
Z世代からミドル層、ゲーマー層まで。広がり続けるターゲティングと表現
──Spotifyでこれほど高い効果が得られた要因はどこにあると分析されていますか?
内海:メディアの特性だけでなく、ソニー銀行様が「Spotify専用のクリエイティブ」を制作されたことが非常に大きいと分析しています。他媒体の使い回しではなく、音声メディアにマッチしたユニークなクリエイティブだったからこそ、ユーザーの検索行動を強く喚起したのだと思います。
久保田:視覚的な広告は世の中に溢れていてシェアを奪い合っていますが、移動中などに「耳へのアプローチ」ができるのは音声広告の大きな強みです。私自身もSpotifyユーザーだからこそ、専用のアプローチで作るべきだと考え、毎回土井さんと相談しながらオリジナルのものを制作しています。
──ターゲット層やクリエイティブの設計は、どのように幅を広げているのでしょうか?
金融業界の企業を担当。クライアントのビジネス成長を支援する立場として、データやインサイトを活用した音声広告のプランニングからクリエイティブ制作まで、各社の状況に基づいた提案を行い、伴走している
土井:Spotifyユーザー全体としても、Z世代だけでなくミドル・シニア層のユーザーが増加しています。それに応じて、「演歌風」や「昔の音楽番組風」「ラジオショッピング風」といった音声クリエイティブを配信するなど、ソニー銀行様のアプローチの幅も広げていただいています。
久保田:当初はZ世代向けでしたが、「もっと上の年代にも届くのでは」と考え、昭和世代向けのクリエイティブなど様々なトライを重ねてきました。最近では、ソニーグループ内のアセットを活かしたPlayStation 5の購入キャッシュバックキャンペーンにおいて、Spotifyを利用する「ゲーマー層」にターゲティングして出稿するなどの取り組みも行っています。
使用した音声広告クリエイティブ
土井:Spotifyは近年のPlayStationシリーズでゲームをしながらの利用に対応しており、ゲーム関連の楽曲配信も豊富であることから、ゲーマー層から選ばれるプラットフォームでもあります。こうした多種多様なユーザーのご利用があるからこそ、ターゲティングにおいても多様なセグメントが可能となっています。

