2.最適な「間」が重要になる。メディアプランニングからコンタクトプランニングに
もうひとつ、筆者がAI時代の広告で重要になると思っていることがあります。それは「広告を当てないことで効果が生まれる」という考え方です。
広告業界では長い間、どう広告を当てるかを考え、どう「当てないか」はそれほど真剣に考えてきませんでした。もちろんフリークエンシーキャップという考え方はあります。
ここで筆者が言いたいのは、もう少し根本的なことです。
この人には今、広告を当てる必要があるのか。少し間を空けたほうが効果を創出できるのではないか。また今広告を当てることは逆効果になっていないか。そもそも過度な広告接触を生んでいないか――広告を送り手の都合から受け手の都合にガラッと置き換えるのが、マーケティングOS更新のひとつの考え方であり、一人ひとりの消費者の広告接触を最適にすることに思考が至ります。
その最適化をもっと考えると回数だけの問題ではありません。「間」が重要になります。
必要かつ十分な広告接触とは、同様に最適な「見せない間」をどう作るかでもあるからです。広告接触だけを最大化するのではなく、接触と非接触の両方を設計する。AIには、ぜひここまでやらせたい!
AI時代は「広告を接触させないこと」を思考することになるでしょう。
「広告を打たないほうがいい」と代理店は言えない
ここで広告業界にとって少々都合の悪い問題が出てきます。
AIが「この人には広告を出さないほうが効果的です」と判断したらどうするのか。「このブランドは今月、広告を20%減らしたほうがいい」という答えを出したらどうするのか。
「広告は打たないほうがいい」なんて、電通も博報堂も口が裂けても言えないでしょう。「広告を出さない」という選択肢は、クライアントにとって最適であっても、広告会社にとって最適とは限りません。ここには構造的な利益相反があります。
当たり前ですが、マーケティングOSの目的関数は「広告会社の売上」ではなく、「クライアント企業のマーケティング成果」であるべきです。
広告を出したほうがいいなら出す。出さないほうがいいなら出さない。それどころか、広告ではないほうがいいなら広告そのものを選ばない――新マーケティングOSには、忖度の必要はありません。
