2. Affinity(共感を生む力)――「他でもよい」を「自分に合う」に変える
次に重要になるのが、Affinity(共感を生む力)です。これは、生活者に「自分に合っている」と感じてもらう力です。「このブランドはわかっている」「自分たちの側にいる」。そう感じたとき、ブランドは「どれでもよい選択肢」ではなく、「自分が選びたい存在」に変わります。
事例:Plenitude - Dark Mode Ads
企業にとって広告は必要です。しかし、その広告の多くはLEDスクリーンなどを通じて表示され、少なからず電力を消費します。再生可能エネルギーを手がけるPlenitudeにとって、「伝えるためにエネルギーを使う」広告は、避けがたいジレンマでした。
そこで実施したのが「Dark Mode Ads」です。デジタルOOHや店舗内LEDの広告を、黒背景中心のダークモードに変換し、各国の屋外広告で展開。広告メッセージを伝えながら、最大74%の省エネを実現しました。
さらにPlenitudeは、この取り組みを自社だけで終わらせませんでした。他の企業も自分たちのデジタル広告をダークモード版に変換できるオンラインツールを公開し、広告業界全体に省エネ型の広告表現への参加を呼びかけました。
言葉より、行動が価値観を伝える
「他でもよい」を、どうすれば「自分に合う」に変えられるのか。Affinity(共感を生む力)を発揮する上でブランドに求められるのは、価値観を言葉で掲げるだけでなく、行動や体験として示すことです。
通常ですと、共感を育てる施策では、ブランドの世界観に合う媒体を選ぶことが重視されます。しかしPlenitudeの事例は、環境への配慮を広告で語るだけでなく、広告そのものを省エネ型に変えました。ブランドの価値観を行動として示すことで、生活者の価値観との接点を作ったのです。重要なのは、どこに広告を出すかだけではなく、その場をどう使うかだったのです。
Affinityが高いブランドほど、サステナビリティ評価、生活の質への貢献実感、プレミアム価格の受容と強く連動し、選好も平均を大きく上回ることがわかっています。価値観を言葉ではなく行動で示したとき、ブランドは「共感できる存在」から、「自分が選びたい存在」へ近づいていきます。
