桁違いの接触頻度に。BeReal独自の「有限フィード」の効率性
――今回のキャンペーンの最終的な目標はどこに設定していましたか。

北條:今回はシンプルに「商品の名称への認知をとことん取りに行く」という目標を設定し、購入意向などの興味関心まで引き上げるような取り組みはあえて行わないようにしていました。その目的に対して、BeRealの広告は驚くほど高い接触頻度で応えています。通常のデジタル広告では月2〜3回の接触が適正とされますが、BeRealでは数十回接触することも当たり前で、なかには30回という数値も出ていました。1ヵ月を通じて何度もトラフルBBチャージcのクリエイティブに接触してもらうことで、確実な名称認知につながると考えました。
――他メディアとは異なるBeRealならではの特性やユーザーの使われ方が関係していそうですね。改めて解説いただけますか?
大友:BeRealは「何も加工しない日常を共有してコミュニケーションを取るツール」です。フィルター加工がなく自分が盛らなくていい仕組みだからこそ、生活のリアルがそこにあります。最大の強みは「フィード(投稿表示画面)が有限である」ことです。他のSNSのようにスクロールすれば無限にコンテンツが出てくるわけではなく、最後に終わりが来ます。流れてくるのは自分が相互フォローしている友達のみで、1日のフィード数は多くても100程度に収まります。
――フィードが限られている中で広告を出すことのメリットは何でしょうか。
大友:1人あたりの平均的な友達数は1クラス分ほどの約40人で、1日最大2回投稿したとしても、80枚しかフィードが出てきません。全員の投稿が「自分が興味のある人たち」のものばかりなので、流し見をされにくいのです。そのため、そのフィードの間に出てくる広告は、流し見されるプラットフォームなどよりも、広告想起率が上がりやすい。同じ費用をかけても非常に効率的です。
北條:私自身も利用者として見ていて、無限にフィードがあるわけではないため、出てくる広告の数も限定されていると感じます。他社の広告に埋もれず、シェアオブボイス(広告露出の占有率)の観点から言っても、非常に有用な露出の仕方ができていると思います。
日常に溶け込むクリエイティブ設計と「1日ジャック」の仕掛け
――実際のキャンペーンにおけるクリエイティブや配信設計について、どのような工夫をされましたか。
北條:アイドルグループ「CANDY TUNE」の立花琴未さんを起用し、縦型SNSを前提とした「画面越しにこちらに話しかけるようなプライベート感のあるクリエイティブ」を複数制作しました。今回のキャンペーンはクロスメディアで展開しており、立花さんの起用は全媒体にわたります。BeRealは特にフリークエンシーが高いメディアなので、同じクリエイティブを何度も当てるのではなく、パターンを複数用意して飽きさせないように工夫しています。
北條:また、CANDY TUNEが念願の日本武道館ライブを行う公演日に合わせて、BeRealの広告を1日ジャックする「Max Takeover(マックステイクオーバー)」を実施しました。X(旧Twitter)など他のSNSでも話題になり、「今日こっちゃんめちゃくちゃ出てくる」「(ライブ当日のジャックを)トラフルは狙ってやっているのかな」といった発話につながったのは非常に面白かったですね。
――医薬品の広告はタイミングが難しいと思いますが、若年層のマインドにはどのようにアプローチしたのでしょうか。
大友:事前調査で、若年層は口内炎になっても「放置して治す」人が多く、解決意欲はあっても「薬」という選択肢に結びついていないことがわかっていました。そこで、武道館ライブの日というユーザーの熱量が高いタイミングで一気に名称を認知させ、その後は「Balance Reach(バランスリーチ)」という継続的な配信を行いました。突発的な山を作った後、日常の中で「こういう解決策がある」という正解を繰り返し提示し、自分ごと化を促進する設計です。
北條:医薬品の広告は「症状が出ていない人にとってはノイズでしかない」という難しさがあります。だからこそ、商品特性以外の部分でいかに「とっかかり」を作るかを重要視していました。その点でも、日本武道館ライブというモーメントとCMキャラクターのマッチングは、日常に溶け込む最適なタイミングでできたと思います。

