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伊藤忠と電通が戦略的提携、電通総研は共同保有へ。ファミマ発「リテールメディア」事業も加速

【2】リテールメディア領域:データ・ワン/ゲート・ワン/電通が3社提携

 もう一つの柱が、リテールメディア・データ領域。ここを担うのは、いずれも伊藤忠グループのゲート・ワンとデータ・ワンである。店頭メディアを手掛けるゲート・ワンの「ファミマTV」は、全国約1万2,000店舗に広がり、1日あたり約1,500万人が接触する。購買データ事業のデータ・ワンが扱う「Life-Liveデータ」は、6,000万を超えるIDに紐づき、年間流通総額10兆円超をカバーする。

 細見氏が強みとして挙げたのは、これらがコンビニに閉じない点だ。スーパーやドラッグストアなど複数の小売企業・業態を横断してデータ基盤を築いてきた広がりこそが、伊藤忠グループのリテールメディア事業の独自性だという。

 「この5年ほどで、ファミリーマートを中心としたリテールメディアの売上は、予定よりも前倒しで100億円を突破しました。非常に大きな成長の可能性を感じています」(細見氏)

 この基盤に電通の力を掛け合わせるべく、電通、データ・ワン、ゲート・ワンの3社が業務提携契約を締結した。ファミマTVの商品力向上、購買データを活用したデジタル広告や分析サービスの開発、3社による共同提案などに取り組み、リサーチやIPコンテンツの活用といった新事業の可能性も探る。

リテールメディア市場そのものを育てていく

 ただ、電通グループのリテールメディア戦略はファミリーマートに限らない。電通は2026年6月、セブン‐イレブン・ジャパン、サイバーエージェントと合弁会社「セブン‐イレブン・アドコネクト」の設立を発表したばかりだ。競合するコンビニ双方に関与する構図をどう見るか──会見でこの点を問われた電通グループ 取締役 代表執行役 副社長(兼)dentsu Japan COOの綿引義昌氏は、セブンともローソンとも組み、リテールメディア市場を広げていきたいと答えた。

 特定の小売に排他的にコミットするのではなく、市場そのものを一つの産業へと育てていくという姿勢である。細見氏も、これまで事業を支えてきた多様なパートナー企業との関係を大切にしながら、リテールメディアのマーケットを大きく育てたいと足並みをそろえた。

 その上で、細見氏は広告知見の非対称性も率直に認める。「いろいろな会社がリテールメディアを展開していますが、全体での標準化や指標づくりはこれからまだまだ。広告業界そのものに対する知見も、我々はまだ5年ほどで非常に浅い」。豊富な実績を持つ電通に「しっかり教えていただいて、今後の商売につなげていきたい。可能性はもう無限に広がっていくのではないか」と期待を語った。

 リテールメディアが実証段階から産業化へと移る局面で、小売・広告会社・商社をまたぐパートナーシップが広がってきた。日本のリテールメディアは一つの産業へと引き上がっていくのか、視野を広げて注視していきたい。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/01 07:30 https://markezine.jp/article/detail/77503

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