Web2.0時代を迎えて、さまざまなWebマーケティング手法が登場して話題となっていますが、それを企業が活用するとき、手法と現実の間にはまだまだ大きな溝があるようです。今回は「シックスシグマ」と「バランスト・スコアカード」のフレームワークを利用して、それらの問題について考えてみましょう。後編はこちら。
ビジネスの側から見た「Web2.0」
最近、Webを使ったブランディングの相談をいただく機会が多くなってきました。一般ユーザーのWeb利用状況の量的・質的な変化を受けて、企業がWeb活用の一環として自社ブランドの向上のための手段としてWebブランディングに注目するのは当然の流れだといえます。
しかし現状を見てみると、企業側も、Webサービスを提供する側も、ビジネスをWebに翻訳する方法論やノウハウを確立し、共有するには至っていません。それゆえに実行する施策がSEO、SEMだったり、ビジネスブログだったり、ユーザビリティの改善だったりと表層的なものにとどまっているように思えます。また、そうした施策のほとんどは、その業者が宣伝しているツールや手法そのものだったりします。
私たちがお客様からの相談を受ける場合も、「SNSをビジネスに活用したい」とか「SEOをやりたい」という具合に、手段ありきでお話をいただく場合があります。しかし、何のためにそうした手段を使いたいと思われたのかと尋ねてみると、多くの場合に明確な回答が返ってこないことがほとんどです。流行のWebツールや手法を確たる選択理由もなく採用しようとする傾向は、「ビジネス上の課題をWebに変換するのに使える明確な手法、フレームワークがない」ことから生じているのではないでしょうか。
ミッションを記述し、共有するためのフレームワークとは?
とはいえ、この問題は「Webのビジネス活用」に限った話ではありません。明確な目的も示されず、それを達成するためのシナリオも描かれないまま、根拠のない実現不可能な目標値が与えられ、結局、期末には当然のように目標が達成できない…ということを何年も繰り返し続けている企業は少なくないはずです。
これは、ビジネスにおける現状の課題を、勘や経験や度胸ではなく、科学的、論理的な手法で明確にした上で、その課題を解決する方法を考えることがいかに難しいか、ということを物語っていると思います。
社内での目標設定と達成までのシナリオの共有も重要ですが、それを外部の業者、Webの知識はあってもビジネスの知識はそれほどない人に伝える術がないという点も大きな問題です。しかし、戦略の実行に関わる関係者には、企業の境界を超えてでもそれを伝えられるようでなければなりません。
では、自社が何をミッションとして、どこに向かおうとしており、どうやってそこにたどり着こうとしているのかを明確な形で記述するには、どんなフレームワークが必要になるのでしょうか。その点を詳しく見ていくことにしましょう。
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棚橋 弘季(タナハシ ヒロキ)
芝浦工業大学工学部(建築学専攻)卒。マーケティング・リサーチ、Web開発等の仕事を経て2003年より株式会社ミツエーリンクスに。現在はWebを使ったマーケティングに関する企画や自社サービスの開発に従事。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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