サポーターの課題を旅行体験へ。Airbnb×ガンバ大阪の共創事例
V会員と提携企業を結びつけ、相互に価値を生み出す施策の具体例として、スポーツエンターテインメントと旅行体験を掛け合わせた事例が紹介された。
具体事例として挙げられたのが、Vポイント、Airbnb、そしてJリーグのガンバ大阪が連携した、サポーターの応援・遠征体験を広げる新施策だ。
この取り組みは、ガンバ大阪サポーターが抱える「アウェイ戦の応援に行く際、適切な宿泊地が見つからない」という課題と、Airbnbが目指す「推し活に伴う旅行需要を確実に取り込みたい」というニーズを合致させたものとなっている。
施策の設計としては、ガンバ大阪のアウェイ戦の機会にAirbnbを利用した際、Vポイントの還元率を引き上げたり、抽選でサイン入りユニフォームをプレゼントしたりといった、ファン心を捉える体験を用意した。
カルチュア・コンビニエンス・クラブ時代から得意としてきたエンタメ領域の深い知見とアセットを活用することで、V会員であるサポーターに対して特別な体験を提供すると同時に、提携企業であるAirbnbおよびガンバ大阪に対しても明確なビジネス価値を提供できた好例と言える。
「暮らしのデータ」を循環させる4つのステップ
今後もV会員と提携企業に対する価値提供を持続的に実現していくにあたり、同社の廣田氏は、Vポイントマーケティングが鍵として位置付ける4つのステップを提示した。
一つ目が「データ」だ。従来の購買データの取得にとどまらず、V会員自身が購入時のレシートをスマートフォンで撮影し、アプリへ投稿する仕組みなどを展開。これにより、データの絶対量を増やすとともに、その質と多様性を高める取り組みを進めている。
二つ目の「分析・AI」では、「外食が好き」「肉料理が好き」といった会員一人ひとりの志向性を推計し、高度な分析エージェントを構築。個々のユーザーに最適化されたパーソナライズ体験を実現するための基盤とする。
三つ目は「メディア」だ。現在、数千万人規模のユーザーを抱えるLINE公式アカウントと連携しており、今後は複数のアプリとも連携を予定している。ターゲットとなる層に対して、タイムリーかつスピーディーに施策を届ける狙いがある。
そして四つ目が「ポイント」。生活者の次の行動を促すトリガーとして、ポイントの発行量の増大を重視している。2026年3月にはPayPayポイントとの交換を開始したほか、東京都や横浜市をはじめとする地方自治体との連携も強化。さらに、TポイントとSMBCグループのVポイントとの統合効果や、SMBCグループが提供するデジタル金融サービス「Olive」との連携も順調に推移している。
ユニークな試みとしては、SMBCグループの株主優待としてVポイントを付与する施策も実施。これらの取り組みが結実し、2023年から2025年にかけてのポイント発行数は二倍以上に拡大している。
この4つのステップを実行するうえで、Vポイントには多様な展開の可能性が広がっており、今後の成長にも手応えがあると廣田氏。暮らしのデータを起点としてV会員と提携企業の間にポジティブな好循環を生み出し続けることこそが、持続的な成長を実現する道筋であると締めくくった。
では、データに基づいた体験設計の具体的なアプローチとはどのようなものか?
続いて、V会員向けのカスタマーバリュー領域を管轄する高山氏より、Vポイントが目指す将来像を含むプロジェクトストーリーが語られた。

