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商品探索は「検索」から「相談」へ 博報堂が提唱するAI時代のIMCプランニングと独自エージェント論

MarkeZine編集部[著] / 関口 達朗[写]

全タッチポイントを“問い”から再設計するAI IMCのアプローチ

──AIにブランドを正しく認識・推薦してもらうための施策として「AIO(AI検索最適化)」が注目されていますが、博報堂ではどのようなアプローチをとっているのでしょうか。

栗田:世間一般で言われるAIOは、「自社のWebサイトを整えてAIに正確に読み込ませよう」というWeb単体の施策に終始しがちです。もちろんWebサイトの最適化も重要ですが、私たちはそれだけでは足りないと考えています。あらゆるタッチポイントをAIに対してポジティブに働くように統合設計するアプローチ、すなわち「AI IMC」を提唱しています。

栗田:テレビCM、Web動画、PR、リアルイベント、SNSなど、世の中に存在するすべての情報接点は、AIの学習ソースになり得ます。生活者がAIに相談した際、AIが様々なソースから情報を拾い上げ、確からしい情報として生活者に提示できるように、ブランドに関わる全タッチポイントを連携させて設計します。

──具体的には、各メディアや施策をどのように設計していくのですか?

栗田:鍵になるのは、「問い(クエリ・プロンプト)」から逆算して設計することです。生活者がAIに対してどのような質問を投げかけるかを徹底的に分析・推測し、その問いに応じた情報を各接点に配置していきます。

• テレビCM
盛り込める情報量は限られるため、その商品カテゴリーにおける「代表的な問い(中心的なクエリ)」に対する答えやメッセージを込める。

• Web動画
より詳細な検討段階で生活者が抱く「2番目、3番目の問い」に対するアンサーを用意する。

• Webサイト
容量の制約が少ないため、生活者が聞きそうなあらゆる問いに対する網羅的な回答(Q&Aなど)を格納し、AIが参照しやすい構造にする。

• PR施策
AIは客観的なファクトや第三者・専門家の言及を好んで引用するため、「AIに引用させたい信頼性の高いファクト」をPRを通じて流通させる。

 このように「生活者が発する問い」を起点に、全メディアの役割を再定義していくのがAI IMCの基本的な考え方です。

──自社単独でこの「AI IMC」を実践するのは難度が高いのでしょうか。広告会社である博報堂に伴走を依頼する意義はどこにありますか?

栗田:大きく2点あります。1点目は「生活者がどんなプロンプト(問い)を打つか」の解像度です。生活者心理を深く洞察してきた知見があるからこそ、表面的なキーワードにとどまらない、生活者のリアルな文脈や多様な視点を持った確からしい問いを抽出できます。

 2点目は、問いを特定した後の施策の実装力です。AIに評価されるためのCM企画、Webサイトの構造化、PR文脈の設計まで、一貫してエグゼキューションに落とし込める制作力があるからこそ、構想だけで終わらずにAI時代のコミュニケーションを具現化できます。

プロトタイプを作ってAI活用の手触りを感じてもらう

──ここからは、もう1つの重点テーマである「マーケティングプロセスの変革」についてお聞きします。多くの企業がAI活用を模索していますが、現場での導入が進まない要因はどこにあるとお考えですか?

川地:生成AIに触れた経験を持つマーケターは非常に増えています。しかし「AIによって自社のマーケティングプロセスやシステムがどう変わるのか」という具体的な手触り感を持てていないケースがほとんどです。概念としてのAI変革は理解できても、自社の業務にどう組み込まれるのかが想像できないため、ニーズが曖昧なまま止まってしまうのです。

 そこで私たちが徹底しているのが「提案の段階でプロトタイプを作り、直接触ってもらう」というアプローチです。実際のデータを取り込んだ動くシステムを持ち込み、体験してもらうことで、「こういうことか!」と一瞬で理解していただけます。

──テクノロジストを多数抱えるCXC局だからこそできる強みと言えそうですね。

川地:まさにそのとおりです。局内の多様な人材に加え、AIビジネスプロデュース局やグループ会社とも連携する総力戦の体制を整えています。

栗田:私はチームのメンバーに「一にも二にもまずプロトタイプを作ろう」と伝えています。エンドユーザー向けの接客・問い合わせツールのインターフェースから、クライアント企業のマーケターが使う分析・プランニングツールまで、あらゆるプロトタイプを制作しています。

 かつては凝った企画書を作るのに膨大な時間をかけていましたが、今は生成AIの力を借りれば、同じくらいのスピード感でプロトタイプを構築することが可能です。長々と企画書で説明するよりも、実際に触ってもらえるプロトタイプを提示したほうが、議論は何倍も加速します。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社博報堂

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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