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翔泳社の本

自社は王者か、チャレンジャーか? 立場で変わるブランド戦略の「定石」【書籍抜粋】

ブランドづくりは体制づくりと与件整理から

 企業の中でブランドづくりを実行していく際、最初のステップとなるのは推進体制の構築と、与件(与えられた条件や隠れた制約条件)の整理です(図2)。

図2 ブランドづくりプロセスの全体像
クリックすると拡大します 図2 ブランドづくりプロセスの全体像

 ブランド戦略の検討対象となる商品・サービスの基本的なビジネスや市場構造(自社・競合の売上・利益・市場シェアなど)を理解するための情報収集・分析と共に、プロジェクト推進のための社内体制を整え、検討上の与件を把握します。

 ブランド戦略で市場競争力を高めるには、マーケティング4P施策への落とし込みが大切です。そして、4P施策は事業部門が権限を持つ領域です。抽象的な企業理念やアイデンティティを表現する企業ブランド戦略であれば、事業数値責任のないブランド専任部署が担ってもよいでしょう。

 ただし、市場競争力を高める戦略ならば、事業の数値責任を持つ部門が主導する推進体制にしましょう。そうしないと、現実的には戦略が実行されず機能しません。もし、ブランド戦略部や広告宣伝部など他部門がブランド戦略を起案するのであれば、事業部側を巻き込んで意思決定することが欠かせません。

経営陣の制約(与件)を引き出して効率化を図る

 ブランド戦略を策定する際、あらゆる可能性を網羅的に考えて検証していては、多くの人や時間を割いてもうまくいきません。短時間でよい戦略を策定するには、制約となる与件事項を見極め、絞り込んだ領域で深く検討することが大切です。

 たとえば、経営側ですでに決めている「来年度は利益を確保するため、巨額広告投資はNG」という与件があるのを理解しないままに、巨額なマス広告による小売の棚スペース獲得が前提となるような戦略を立てて提案しても、経営側からすると的外れの内容となり、時間の浪費に終わる危険性があります。

 また、ブランド投資の効率化を図るために商品ブランドの統廃合を経営陣に提案したら、「そのブランドは創業者がつくった企業の象徴だからやめるわけにいかない」というようなことも。担当者にとっては名案と思えても、経営者からすると、「事前に話もなく、そんなところに踏み込まれても困る」ことが現実にはあります。

デジタル時代の基礎知識『ブランディング』第2版 事業に貢献するAI時代のブランド論(MarkeZine BOOKS)

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デジタル時代の基礎知識『ブランディング』第2版
事業に貢献するAI時代のブランド論(MarkeZine BOOKS)

著者:山口 義宏
発売日:2026年03月18日(水)
定価:1,848円(本体1,680円+税10%)

本書について

大企業や高級ブランドでなくても、ブランディングは必須。売上や競争力に直結する「ブランド戦略」とは? 定番書が大幅改定。

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自社の立場で戦略の定石は変わる──王者とチャレンジャー

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この記事の著者

大久保 遥(編集部)(オオクボ ハルカ)

大学卒業後は編集プロダクションにて、主に料理や歴史などのムック本の編集を経験。その後ビジネス書・語学書を扱う出版社を経て、2017年より翔泳社の書籍編集部へ。翔泳社では「IT用語図鑑」シリーズ、「「ゆる副業」のはじめかた」シリーズの他、『インサイドセールス』『ど素人でもわかる経営学の本』など、ビジネス書・IT入門書...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/30 07:00 https://markezine.jp/article/detail/77629

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