「全チャネルを横断する」明確なビジョンがあった
――では改めて松永さん、Marketing Cloud導入にはどのような背景があったのでしょうか?
松永:私も長らくマーケティングに携わる中で、「手作業では無理」というジレンマを常に感じていました。当社の場合、5年ほど前までは、営業担当がいるお客様に対して、オンラインの別の部署から営業活動に全く連動しない商品案内のメールをお送りしていることがありました。こうしたことは非効率、かつ何よりお客様にとってプラスではないと、現場もマネジメントも認識している一方、一気通貫する仕組みがないから仕方ないと考えていたのが実情でした。
――難しいところですよね。
松永:そうですね。その一方で、金融業界の大きな潮流として、2008年のリーマンショック以降、高金利商品を提供して新規顧客を獲得するといったプロモーションが難しくなりました。そのようななかで、一人のお客さまとどのようにすれば長くお付き合いができるのかという観点から、CRMの重要性はますます高まっていきました。
当社では、個々に最適化したアプローチができるツールが登場してきたこと、システム投資が可能になったタイミングも合わさって、ツールを活用したCRMを推進しようと本腰を入れて動き始めました。いまから3年半前のことです。

――どのようなプロセスで、導入を進められたのですか?
松永:「全チャネルを横断した、一気通貫でコミュニケーションできる仕組みを作りたい」というビジョンは、当初から明確でした。そこから逆算すると、CRMツールやMAツールなど、各ツールを横断できている状況を目指すことが適切だと考えました。そこで、当時、金融庁の定める基準なども満たしているSalesforce製品に絞り込み、まずは「Salesforce Service Cloud」(以下、Service Cloud)を導入しました。
2ソリューション連携の着地点を見据えて導入
――CRMツールのService Cloudを導入してから、Marketing Cloudを導入したのですね。
松永:まずは、Marketing Cloudの 導入支援として、電通デジタルさんに関わっていただきました。それがちょうど1年半前です。当時は、Marketing Cloud導入のスキルを持つパートナーさんは少なかったと記憶しています。当社の場合、「既に走らせているService Cloudと連携させたい」「スピードも大事なので実装は4ヵ月をメドにしたい」「そのためにこんなスキルの方にいつ・何名来てもらいたい」など、要望は多岐にわたりました。電通デジタルさんはご苦労されたかと思います(笑)。
――ハードですね(笑)。同じSalesforceの製品とはいえ、ツール連携を前提に支援するのは難易度が高いのではと思いますが、受けられた理由は?
中津:確かに簡単ではないですが、社内にService CloudとMarketing Cloudそれぞれに詳しい者がいたので、社内で話せば連携に際する難しさも乗り越えられると考えました。でも実際、松永さんが話された「着地点が明確だったこと」が本当に4ヵ月で運用を開始できた大きな理由だと思います。このスピードは当社の事例でも、セールスフォースさんに聞いてもなかなかないことだそうです。

――着地点が明確だったから、無駄がなかった?
中津:一般的には、要件定義のフェーズで「あれもやりたい」等々膨らむことが多いですし、現行システムに合わせたカスタマイズの要望も多いんです。そうした相談が一切なく、Marketing Cloudの機能自体もよく理解され、この順番で試していこうという構想もお持ちだったので、とてもスムーズでした。当社も最初からメッセージ配信に留まらず、Webサイトやコールセンターを含めた横断的なコミュニケーションシナリオの構築を図っていくことができました。
セールスフォース・ドットコムのパートナープログラム
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高島 知子(タカシマ トモコ)
フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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