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生成AI台頭時代に読んでおきたい、コンテンツマーケティングの基本と実践

ChatGPTで広告掲載が開始。ユーザーの検索行動とAI検索対策への影響は?

広告データが可視化されることによる、AI検索対策への影響

 現在、AI検索対策(LLMO)に取り組む企業の多くが抱えている課題は、定量的に測れるデータが乏しいことです。ユーザーとAIのやり取りは広告主やWebサイト運営者から直接確認できず、どのようなプロンプトや会話を経て、自社の商品やサービスが認知・比較されたのかを把握することは困難です。

 しかし、ChatGPT広告が開始されたことで、広告を通じてこれまでは取得できなかった定量データが取得できるのではないかと期待されています。

 まずは、ChatGPT広告でどういった指標が見えるのかを整理してみましょう。Ads Managerのレポートでは以下の指標を確認できます。

項目 概要
インプレッション 広告が表示された回数
クリック 広告がユーザーにクリックされた回数
費用 広告掲載にかかった総コスト
CTR クリック率(Click-Through Rate)。広告が表示された回数に対するクリックされた割合
平均CPC クリック単価(Cost Per Click)。1クリックあたりにかかった平均コスト
平均CPM インプレッション単価(Cost Per Mille)。広告が1,000回表示される際にかかる平均コスト
コンバージョン 計測設定を行った場合に確認できる、購入や問い合わせ、登録などの成果件数

 ただし、広告主に開示されるのは、広告の配信実績に関する集計データのみです。ユーザーが入力した個別のプロンプトや会話内容、チャット履歴、個人情報などを確認することはできません。

 とはいえ、レポートは広告グループ単位で取得できるため、使い方次第では有効なヒントになり得ます。広告グループにはコンテキストヒントとして会話の文脈を記述するため、「どんな文脈で自社が求められているか」という仮説をもとに広告グループを分ければ、グループごとの指標を比較することができます。

 もっとも、文脈ごとに広告グループを分けると細分化されすぎてしまうため、複数の文脈を束ねて、訴求する軸ごとに広告グループを作るのが現実的ではないかと思います。

 つまり現状は、個々のユーザーのプロンプトや行動は確認できないものの、広告グループの設計を工夫することで、訴求軸ごとに広告配信機会と反応の違いを、集計データとして間接的に把握できる可能性があるわけです。

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 現時点で確認できる範囲は限定的ですが、ChatGPT広告のデータは、ユーザーがどのような点を重視して商品やサービスを探し、比較・検討しているのか推測するための補助的なデータになります。

広告開始で、ユーザーの検索行動は変わるのか?

 では、ChatGPTに広告が入ることで、人々の検索行動は変わるのでしょうか。結論から言えば、現状ではユーザーの検索行動に与える影響は小さいと考えています。

 その背景として、AIの回答だけで検索行動が完結するケースはまだ少ないことが挙げられます。2026年6月にナイルが行った「生成AIの信頼度に関するアンケート調査 vol.3」では、「生成AIを使う際、他の情報源で裏取りをしていますか?」という質問に対して、「する」「たまにする」と回答した方は全体の78.9%でした。

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 同じ傾向は公的な調査にも表れています。2026年7月に公表された総務省「令和8年版情報通信白書」では、各場面別のAIとAI以外の方法の使い分けを尋ねる質問があり、「日常の生活に伴う購入・検討を判断するとき」「生活に長期的な影響を及ぼすものの購入・検討を判断するとき」に使用する手段を「AIのみ」と回答したユーザーの割合は、最も高い15歳~19歳でいずれも4.9%でした。

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 現状では、多くのユーザーはAIの回答だけで結論は出さず、検索エンジンなどを使って情報の精査や絞り込みを行っていることがわかります。そのため、ChatGPTで調べている段階で広告が表示されても、そこから直接購入まで進むケースは少ないと考えています。

 OpenAIは、2025年9月にChatGPT内で商品を直接購入できる「Instant Checkout」を導入しましたが、期待した成果が出ず2026年3月に廃止しています。本機能を導入した際も「AIに相談する→検索エンジンで検証する→Webサイトで購入する」という検索行動は変えられなかったと推測されます。これは、AI回答内に広告が掲載されても状況は変わらないでしょう。

 一方、AIの回答で推薦されなくとも、広告が表示されることで購入候補の選択肢に入る可能性は十分考えられます。選択肢に入れば、その後ユーザー自身で行う比較検討の中で、AIに推薦されたブランドと同じ土俵で評価されることになります。

 前述の「ChatGPT経由の広告流入のうち80%超が新規顧客だった」というデータも、これまで検討対象に入っていなかったブランドが選択肢に入り込めていることの表れとも読むことができます。

次のページ
カギは、ChatGPT広告とAI検索対策を俯瞰すること

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この記事の著者

細山 武揚(ホソヤマ タケアキ)

ナイル株式会社 SEOコンサルタント
個人でのアフィリエイトメディアの運営、SEOコンサルティングの受託経験を経て、2024年にナイル株式会社へ入社。SEOコンサルタントとして、大手のサービスサイト、大規模ECサイトなどを複数担当し、2025年からはナイル社内でLLMO推進PJのプロジェクトリーダーを担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/08/27 09:00 https://markezine.jp/article/detail/77389

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