今回は、第1回・第2回で紹介した調査結果を踏まえ、顧客がベンダーに接触する前に意思決定を進めている今、「ステルス失注」を防ぐための解決策を提案します。ここで重要となるのは、ベンダーの役割を情報の提供者から合意の形成者へと転換すること。この転換を実現するために、今回は「Go-To-Market戦略」と「ソリューション営業からの脱却」について解説します。
第1回・2回はこちら
市場シェアNo.1になるためのGo-To-Market戦略
Go-To-Market(GTM)戦略の基本は、勝てるセグメントを特定して、そこに競合の4倍のリソースを投入し、市場シェアを26%以上確保すること。その市場でのNo.1を目指すことです。
候補ベンダーが3社に絞られる世界でも、市場No.1ベンダーは外されにくいという強みが持てます。また、市場シェアが高ければ、導入事例も豊富に揃えられます。そうすると、信頼できる情報源として、見つけてもらえる可能性も高くなります。
私の提唱するGTM戦略のフレームワークには、ランチェスター戦略を組み込んでいます。
- 局地戦の徹底:全市場をカバーできるのはGAFAMのような膨大なリソースを持つ企業のみです。それ以外は、勝てるセグメントに絞り、そこで圧倒的なシェアを奪う必要があります。
- シェアの目標値:独走の足がかりとなる26%を最低ラインとし、首位を不動のものにする42%(トヨタの戦略水準)を目指します。
重要なのは、勝てないセグメントは、勇気を持って捨てることです。リソースには限りがあります。最優先事項にリソースを集中投下しましょう。
実際の戦術では、セグメントをさらにアカウント単位に分解して、優先順位を決めて攻めていきます。次のように、新規顧客/既存顧客それぞれ分解して考えてみましょう。

新規顧客においては、開拓しないアカウントの設定も重要です。また、既存顧客についても、収益拡張の観点から優先順位を決めていきましょう。それぞれの役割が並行して、担当する分野を突き進むイメージです。
営業は、「アカウントマネージャー制」を引いて、特定の優先顧客とはとくに長期的な関係を作り、最初から候補ベンダーに入るようにしたいところです。
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北川裕康(キタガワ ヒロヤス)
38年以上にわたりB2B ITビジネスに従事。マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業、およびAI inside、RevCommといった国内スタートアップにおいて、マーケティング、戦略&オペレーション等の執行役員を歴任。2023年に独立し、現在はGTM戦略、マ...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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