トライステージは、テレビ通販番組データベース「DR-INDEX」を活用して、2012年11月から2013年10月にかけての全国5地区(関東、関西、名古屋、福岡、札幌)地上波系列局、独立U局、およびBSデジタル放送局、合計37局における、テレビ通販番組の放送枠の調査を実施した。
放送回数ランキング
テレビ通販番組において、年間を通して最も放送回数が多かったのは「健康食品」だった。それに「コスメ」「生活家電」が続いた。継続的・日常的に利用する商品が中心となっている商品が上位を占めており、テレビ通販との親和性の高さがうかがえる。
テレビ通販番組・商品トレンド
2012年11月から2013年10月までのテレビ通販番組枠の合計は90,024枠、放送時間の合計は2,535,294分であった。月平均で、通販番組枠は7,502枠、放送時間は211,274分に。
2013年の放送枠の月別合計では、各社の年度末である3月に最も放送枠が増加していた。上半期(4~9月)と下半期(10~翌3月)を比較すると、下半期は、枠が月により変動している傾向がうかがえる。また、放送時間の合計は、放送枠のトレンドに連動して推移しているようだ。
各商品カテゴリーの月別推移では、12月と3月に特徴的な動きがあった。12月は「掃除用品・掃除家電」と「食品・飲料」の放送回数が著しく増加。これは年末の大掃除に向けて、またお歳暮や年末年始の準備をする消費者を狙って、総合通販会社が放送する商材をシフトした結果によるものと推測される。
3月には、新生活に向けて「フィットネス」、「キッチン用品・キッチン家電」、「ホーム・生活雑貨」等が増加。また「生活家電」カテゴリー内では「加湿・除湿・空気清浄機」が2,214回放送され、1位という結果に。これはPM2.5による空気汚染問題によるものと推測される。
「健康食品」カテゴリーにおける成分別放送回数ランキング
商品カテゴリーで1位の「健康食品」の成分別放送回数ランキングでは、1位は「青汁」で5,720回。2位の「コラーゲン」(3,142回)の約1.8倍であった。
成分別の月別推移では「青汁」は年間を通して放送回数が圧倒的に多かった。5位の「グルコサミン」は、新商品の登場により4月以降急激に放送回数が増加。10月時点では、「青汁」に続き2位まで伸長。3位の「DHA・EPA」は年間では3位だったものの、減少傾向のようだ。
2014年テレビ通販市場の傾向予測
2014年のテレビ通販市場において、3月は各社年度末のため放送回数が増加する傾向があることに加え、消費税増税前の駆け込み消費を見据えて例年以上の需要増加が見込まれる。これにより、テレビ通販番組枠の入手競争が激化する可能性がある。
商品カテゴリーでは、健康食品は引き続き年間を通して安定した放送回数を保つことが予測される。さらに、機能性表示制度の導入が決定した際には、これまでにない新しい成分の登場など、健康食品市場に新しい動きが見える可能性も。また、今年はランキング外であった新ジャンル・新サービス(リフォーム、不動産、塾、金融など)は、新市場としてさらなる拡大が期待される。
テレビ通販番組枠の上半期(4~9月)と下半期(10~翌3月)比較では、上半期は6月にサッカーワールドカップが開催されることから、テレビ通販番組枠が減少すると予測されるものの、他月は比較的安定した枠数で推移する見込み。下半期は年末年始などに特別番組が増加することから、引き続き放送枠数が大きく変動する予測。
また、季節に合わせた商材が増加する傾向があるため、テレビ通販市場へ新規参入予定の企業で継続的に利用する商材(リピーターの確保を重視する商品)の場合は、上半期からの参入が狙い目と言える。季節商材で参入する場合は、早期からの出稿計画および発注が重要になるだろう。
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