AIの進化により営業の効率化が進む一方で、「説明を聞くならAIで十分」という顧客も増えています。そんな時代に、あえて「非合理」であることの価値を説くのが、GMO NIKKO営業責任者の萩坂さんです。本対談では、選び直せるギフトサービス「GIFTFUL」を法人向けにも展開するGiftX飯髙さんが聞き手となり、「これからの営業が選ばれる理由」をテーマに萩坂さんの思考を深掘り。データやロジックだけでは到達できない営業の本質に迫ります。
キャリアの原点「お客様に対して何をしたいか」
飯髙(GiftX) 萩坂さんはGMO NIKKOで営業責任者を務められています。営業としてどのようなキャリアを歩んでこられたんですか。
萩坂(GMO NIKKO) 最初のキャリアは、個人向け金融商品の営業です。面白かったのは、営業難易度がとても高い点。精神的にもかなり鍛えられましたし、ファーストキャリアがそこで良かったなと心から思っています。
あえて言うと、つまらなかったのは、お客様から預かった資産の運用業務には携われなかったこと。営業は新規営業しかやらないんです。すると、お客様が喜ばれているのか、逆に悲しまれているのか、そういうところに向き合えないという葛藤がありました。一貫してお客様に向き合うために、リクルートの代理店へ移りました。
萩坂 そこではHR領域で、まさに最初の接点からお客様の成功・成長までを見届ける経験もでき、順風満帆でした。一方で、もっとお客様のためになる提案をしたいという欲が出てきます。具体的に言うと、リクルートの代理店にいるとマイナビを提案することは立場上できないわけです(笑)。
当時はインターネット広告の黎明期で、自社サイトで採用を始める企業も出てきていたので、幅広く支援できる営業を目指し、インターネット広告業界に軸足を動かしました。
飯髙 萩坂さんは、常に「お客様に対して何をしたいか」が中心にあるんですね。
「期待値の1.1倍」を実現すれば顧客が営業のファンになる?
萩坂 お客様のためにできることをやりたいんです。若干やりすぎるくらいに(笑)。
ちなみに、当社はコーポレートビジョンとして「Surprising Partner.」を掲げています。個人的に大切にしているのは、「期待値の1.1倍以上」を継続すること。期待値の2倍を何度も出すよりも、1.1を毎回出していくほうが容易ですし、その積み重ねでお客様にファンになってもらえます。
GMO NIKKO株式会社 執行役員 マーケティングパートナー本部 本部長 萩坂拓也さん
GMO NIKKOにて執行役員兼広告事業本部の本部長。また、マーケター向けメディアTrueMarketingの編集長も兼務。2009年にイノべーターズ(ネット広告会社)へ立ち上げメンバーとして参画し、その後、GMOインターネットグループにジョインし、現職に至る。
飯髙 「1.1倍」というラインを組織全体に浸透させる難易度は高そうです。
萩坂 そうなんです。言うは易し、行うは難しで。そもそも期待値1.1倍の定義が相手や状況によって変わるため、定量的に示すことが非常に難しいんですよ。
自分にとても厳しい人もいれば、自分に甘い人もいますからね。絶対的な正解がない。でも、その掴みどころのない部分に向き合い続けるのが、営業の面白いところでもあるんですよね。
飯髙 組織をマネジメントする立場として、数字や指標で示そうというチャレンジもされたのですか。
萩坂 いろいろと試行錯誤はしたのですが、結局、結論から言うと「その部分は属人的で良いのではないか」と思い至りまして(笑)。
ただ、そのノウハウを暗黙知として閉じたいわけではありません。僕がどうやって「1.1倍」を実現しているのか、感覚を掴んでもらうためにいろいろなメンバーを僕の商談に連れて行っています。現場で「僕の営業スタイル」を見てもらうのが、今のところいちばんの近道だと思っています。
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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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