前編では、複数の商談を重ねて条件を絞り込み、PMFを達成するための検証と情報連携の実務を解説しました。勝ちパターンが見え始めたとき、次に直面するのが「勝ちパターンをいかに組織全体へ広げ、スケールさせるか」という壁です。ここで多くの組織が「人員を増やせば売れる」と判断しがちですが、この「時期尚早なスケール」こそが、有望だった事業をつぶす典型的なパターンです。後編では、AI時代における0→1営業の戦略的な役割と、PMFを達成した組織をスケールさせるための設計を解説します。
商談を重ねる中で「勝ちパターン」を見出し、PMFを達成するプロセスを解説した前編はこちら!
AIが代替できない0→1営業の役割
今、営業の仕事が根本から変わりつつあります。提案資料の作成、商談データの集計や要約、定型的なフォロー……。このような「決まったやり方を効率良く回す仕事」は、AIが代替していきます。
一方で、AIが集計・要約したデータを基に、それらが何を意味するか判断し、行動することは人間にしかできません。前編で解説した「顧客との対話から現場の事実をつかみ、何を解決するべきか判断し、意思決定を動かしていく仕事」は、人が担うべき役割として残っていくのです。
(クリックすると拡大します)
AIが代替していく仕事と人にしか担えない仕事を区別し、前者はAIに任せて後者に集中する。その転換が、今まさに求められています。
私自身、Relicでの新規事業開発や新規事業のグロース支援、そしてScalehackの立ち上げを通じて、この変化を肌で感じています。「どうやって商品をつくるか」「どうやって売るか」という実行面の差は縮まる一方で、顧客との対話から解決すべき課題を見つけられるチームと、そうではないチームの差が広がっているのです。
そのような時代では、顧客接点の最前線に立つ営業人材こそ、まさに企業が持つ最大の資産だと言えるでしょう。とくに新規事業の場合、0→1営業を「売る人」から「解決するべき課題を見つける人」として再定義できるかどうかが、事業の成功を左右するのです。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- “0→1”フェーズを成功に導く「新規事業」の営業戦略連載記事一覧
-
- AI時代に求められる0→1営業の役割。現場の学びを再現性に変え、事業をスケールさせる設計図...
- 1件の商談設計からPMF達成を目指す。勝ちパターンを見出してPMFを達成する「事実」の検証...
- テストセールスの目的は「営業プロセスを進めること」ではない 事業成立要件の白黒をつけるため...
- この記事の著者
-
Relicホールディングス取締役CMO/Scalehack代表取締役CEO|Founder 倉田丈寛(クラタ タケヒロ)
リクルートにて法人営業を担当後、独立して複数のマーケティング支援・メディア事業を立ち上げ、成長させて事業売却を経験。その後、経営コンサルティングファームで売上1,000億円超の大手企業を中心にマーケティング/営業戦略の策定〜実行を支援し、専門コンサルティングファームではEC・BtoB領域やMA/SFA導入を通じて顧...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
