一般的に、コピーライティングは「書く技術」ととらえられています。しかしその本質は、「言葉というツールを用いて、人の行動をうながすこと」。だから顧客に“購買”という行動をうながす営業職とも共通する部分が多々あるのです。本連載では、アメリカで100年以上続く不変・普遍のスキルであるコピーライティングの原理原則を通して、営業職のノウハウを再現性のあるスキルに高めることを目指します。解説は、大手企業でのBtoB営業の経験豊富なマーケティング・コピーライターであるアルマ・クリエイションの衣田 順一氏。第11回では、「選択肢の提示」についてお伝えします。
提案がスムーズに受け入れられる!「選択肢の提示」
上司に提案内容の承認を得ようとして、「その内容だと不十分だから、もう一度考えてみなさい」と差し戻されたことはありませんか。せっかく考えた提案内容をいちから考え直すのは骨が折れますし、何より、提案機会を逃してしまいかねません。
一方、次のように質問した場合、上司の反応はどうなるでしょうか。
XXというA案と、●●というB案を考えましたが、どちらが適切でしょうか
案がひとつしかない場合「良いか、悪いか」という二択になり、「悪い(良くない)」と判断された場合、差し戻しになってしまいます。一方、選択肢を提示すると判断基準が「AとBを比較して、どちらが良いか」に変わり、「どちらかと言えば、A案が良い」という答えが期待できるのです。どちらも良くないと判断された場合にも、A案とB案の折衷案なら良いのか、A案よりもB案に近いものが良いのかなど、比較対象があることで改善点を見つけやすくなり、修正案の精度やスピードが格段に変わるでしょう。

もう一歩進んで、「メリット/デメリット」と「自分の意思」も伝えてみましょう。
A案のメリットとデメリットはXXで、B案のメリットとデメリットは~~です。△△という点を重視して私はA案が良いと思いますが、それで提案して良いですか
ここまで詳細に伝えることで、ほかに考え得るメリット/デメリットや自社の営業戦略として重視してほしい観点など、上司側もより詳細なフィードバックが可能になります。これを繰り返すと「以前、XXという提案を考えたら『●●も視野に入れなさい』とアドバイスされた」「このような場合、以前のA案がそのまま使えそうだ」とデータが蓄積され、提案の精度向上も期待できます。
「選択肢の提示」は、顧客へ提案する際も有効です。
今回、A案とB案をご用意しました。XXという効果があるため、私はA案が最適と思います。お客様がXXを重視されるならA案がおすすめですが、●●という効果を重視されるならB案がおすすめです。どちらを重視されますか
どちらを選ぶかではなく「何を重視しているか」をたずねることで、売り込みの印象を与えることなく、「こちらを重視したい(だからA案/B案が良い)」という回答を引き出しやすくなります。もしどちらも選ばない場合も、顧客が何を重視するかわかるため、再提案の精度・スピードも上がるでしょう。
次のページでは、選択肢の具体的な設定方法について解説します。
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SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)
新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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