バーチャレクスグループのバーチャレクス・コンサルティングは、「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」を実施した。
組織的な仕組み化・一元管理で取り組む施策は効果体感率が最も高い
まず、自社でカスタマーサクセスに取り組んでいる794人に対して、18項目の個別施策についてどのような体制で運用しているかを質問した。全18施策の平均効果体感率を体制別に比較すると、全社共通の仕組み(一元管理)が70.7%で最も高く、未着手、個人、部門、全社の順に24.1%、56.2%、61.5%、70.7%となった。外部活用は54.6%だった。
全社共通の仕組み(一元管理)で効果体感率の差がある施策トップ5
全社共通の仕組み(一元管理)と個人裁量との効果体感率の差が大きかった上位5施策は、次のとおりだった。
- 自社製品・サービスを通じた顧客の成功の支援(全社共通79.7%、個人裁量57.9%/差:プラス21.8ポイント)
- 顧客の離脱防止策の構築、および離脱理由の把握(全社共通77.3%、個人裁量56.3%/差:プラス21.0ポイント)
- 顧客データを活用した既存顧客の維持活動(全社共通78.0%、個人裁量58.2%/差:プラス19.8ポイント)
- 顧客の収益・利益を最大化するためのコンサルティング的な支援(全社共通79.3%、個人裁量60.6%/差:プラス18.7ポイント)
- AIやITツールを用いたVoCのテキスト分析(全社共通77.5%、個人裁量60.5%/差:プラス17.0ポイント)
これらは顧客の成功支援や離脱防止といった、カスタマーサクセスにおけるコアミッションとも言える業務である。該当施策では、全社共通の仕組み(一元管理)で取り組む場合、効果体感率が77.3%~79.7%となり、個人裁量を17.0~21.8ポイント上回った。
現実的な一歩は部門単位からの「スモールスタート」
一方で、いきなり巨大な全社共通の体制を構築するのが困難な場合、どこから手をつけるべきか。部門やチーム単位の判断・ルールで取り組む施策のデータに、その現実的な解決策が見出せる。特に注目すべきは、AIやITツールを用いたVoCのテキスト分析である。この施策は部門・チーム単位での効果体感率が73.4%となっており、全社共通の仕組みとの差は4.1ポイントにとどまった。
代替案の明暗は外部の専門家の活用(任せていい領域と不向きな領域)
自社にノウハウがない場合、外部の専門家や代行業者の活用も選択肢となるが、施策によっては個人裁量を上回り、別の施策では下回るなど、効果に明暗が分かれる。顧客の離脱防止策の構築、および離脱理由の把握(差:プラス11.2ポイント)と、顧客一人/社あたりのLTVの算出・管理(差:プラス3.5ポイント)では、外部活用の効果体感率が個人裁量を上回る結果となった。一方、顧客ニーズに合わせた自社商品のラインアップ見直しでは、外部活用の効果体感率は47.9%で、個人裁量の60.3%を12.4ポイント下回った。この結果は、顧客理解や社内ノウハウの蓄積が求められる施策では、外部活用の役割を慎重に設計する必要があることを示唆している。
個人の裁量でも効果体感率に差
組織的な体制が整っていない場合でも、担当者個人の裁量・判断で取り組む施策の平均効果体感率は、未着手の場合を上回った。特に顧客との関係性の可視化・データ化(CRMなどの活用)では、個人の裁量・判断で取り組む場合の効果体感率は65.1%で、未着手の場合の33.3%を31.8ポイント上回った。
【調査実施概要】
「2026年カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」
調査方法:インターネットアンケート
調査実施期間:2026年3月12~17日
対象地域:全国
対象者:カスタマーサクセスに取り組んでいる20歳から65歳の有職者(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、個人事業主・フリーランス、専業主婦・主夫、家事手伝い、学生を除く)794人
