大企業におけるSFA定着プロジェクトは、成功すれば大きなインパクトがあるが、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではない。2024年6月に開催された第12回 Salesforce全国活用チャンピオン大会(以下、SFUG CUP 2024)では、ファイナリストとして選出された各社がSFAやCRMを始めとするSalesforceのビジネス支援ソリューション活用や推し進めた自社の改革についてプレゼンを行った。SalesZineではSFUG CUP 2024 大企業部門で優勝を果たした三菱地所リアルエステートサービス 打田大輔さんにインタビューを実施。同社に営業として入社し、3年めからIT部門に移った打田さんは、「エース級営業」と営業部門を支援する「デジタルリーダー」を巻き込み、SFAの活用を実現したという。
社長の働きかけとエース級営業の巻き込みでSFA導入を推進
──SFUG CUP 2024での優勝、おめでとうございます! 現在の役割と、現職に至るまでのキャリアについて教えてください。
デジタル戦略部に所属しており、SFA/CRM、そしてBIツールの活用が今の役割です。当社には2006年に新卒入社し、最初の2年間は個人のお客様を対象にした不動産仲介売買の営業を2年ほど担当していました。3年めから、社内システムの開発・改修を行う部署へ異動しています。
──営業を経験し、早いタイミングでIT側に異動されていたんですね。
本当は別の人が行く予定だったところ、間違えて異動となったという説もありまして……(笑)。いずれにせよ、珍しいキャリアだとは思います。
──SFUG CUP決勝のプレゼンでは、多くの企業が課題としている「SFA/CRMへのデータ入力」をあらゆる手段を用いて改善されているのが印象的でした。工夫についてお聞きする前に、そのような体制が確立されるまでの営業組織の状況について教えていただけますか。
SFA/CRMの導入は2014年です。それまではそれぞれが自分の手帳やExcelを活用していて、営業組織としての顧客情報の管理はできていませんでした。スーパースター的な営業はいるものの、属人的かつブラックボックスになっている部分があり、会社全体で成長していくために、SFA/CRMの考え方を学び、それを実現するソリューションを検討する中でSalesforceに出会いました。
──そもそも、営業スタイルや考え方を変えていくというスタンスでスタートしているんですね。導入後にやり方が変わることへの抵抗などはなかったですか。
はじめはあったかもしれません。ひとりで決めたい案件も、ほかの営業と一緒に進めることになると仲介手数料の配分が変わってくるという事情もあったので。それでも、名刺情報をスキャンすることでSFA/CRMに取引先データがつくられていくのは革新的でしたし、トップからのメッセージもあり協力的にスタートしてもらえました。
──トップからはどのようなメッセージが発信されたのでしょうか。
いちばん大きいのは社長からの発信ですね。全体に対する定期発信はもちろん、具体的に「幹部の○○さんや現場の○○さんは、○○な理由でまだ腹落ちできていないようです」と伝えると「私から話してみますね」と社長自ら動いてくれていました。説明の一環で10名ほど若手集めた場を設けた際には若手から結構文句が出たのですが(笑)、社長がどう考えているかをしっかり話してくれたことでメンバーも心から納得し、行動を変えてくれました。
広報企画では、四半期ごとにChatter(Salesforce上で利用できるチャットツール)で「社長の手紙」が届きます。新年のあいさつ動画などもあり、社長自身がプラットフォーム自体を使って発信を行っています。
──トップがそこまでコミットしているのは、昨今のビジネス環境においてやはりSFA/CRMの活用は不可欠と考えているからなのでしょうか。
もともと「事実に基づいて行動しよう」というスタンスの社長ですから、Salesforceに入ってるデータを事実としてとらえて取り組んでいこうと語っていますね。
──トップからのメッセージの力強さは本当に重要ですね。現場の方々の腹落ちのためには、そのほかにどのようなことに取り組んだのでしょうか。
活躍している営業メンバーにかなり協力してもらったのはポイントかなと思います。一定の登録ルールも設けているのですが、制定時にはエース級の営業を20名ほど集めて議論をしました。成果を出している人たちが理解・納得したうえで活用していれば、説得力が増しますから。
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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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