新規事業をいくつも立ち上げ、ジュピターショップチャンネル、三越伊勢丹グループ等大手企業にてECの責任者を務めた中島郁さんに、トップの本気を実現する経営幹部に向けて、「小売業のためのEC入門」ノウハウを解説していただきます。第2回は、ECを始めるマインドセット(心構え)・進めかたについて。
トップからEC・オムニチャネルの指示を受けたら
今回から、トップの意向を受けてから実現までを、ある程度時系列に説明していきます。
トップからのEC、オムニチャネル検討の指示をうけたら、まず、何をしますか? いったん、深呼吸をします。そして、想像を広げます。この段階で自分の頭でいろいろと考えてみるのが、新規ビジネスであるECを始めるために大切です。わかっていなくてもかまわないので、とにかくイメージを広げます。
トップから直接話をされるということは、あなたは実店舗等の既存事業で実績を上げてきた幹部なのでしょうし、ほんの数年前までは「ECなんて」と言っていた人かもしれません。すでにECを始めているのに、トップがわざわざ指示した場合は、現状がとてもひどいからかもしれません。新規も立て直しも、たいへんです。

ECビジネスの準備を始めるときのマインドセット
実店舗経験者でECについて「わからないことを始める」と思った方は、「実店舗と同じように進めればよい」と考えた方より適性があります。もちろん、実店舗の経験は非常に有用ですが、トップが本気で指示を出すようなことを始めるには、まず、「違うこと」「わからないこと」を始めるといった意識が大切だということです。実際、大きく違います。また、実店舗出身者にとって、違いの多さでモチベーションが下がることもあります(たとえば、床面積のない概念に戸惑って、思考停止など)。
「違うこと」「わからないこと」前提だと、現状の延長線上ではないビジネスの構想を自由に膨らませます。逆に思い込みがある方がうまくいきません。また、実店舗と同じことの発見やわかる部分が広がりモチベーションが維持でき、そのプロセスから社内への説得力も増していきます。 新規ビジネスは、ある種の開き直りが大切で、初期の段階で、目途・見当はついていなくてもいいのです。
その後、EC全般が詳しい経験者に話を聞けるといいのですが、国内にはほぼいませんので、いろんな役割の会社、人に聞きながら、情報をつなぎ合わせ、構想を作っていくとこととなります。外部から全体を学べることはまずないということです。
調査、検討で、最初のイメージとはまったく変わってしまうこともあります。それでも、担当者が、わからないことを、自分で考え、手を動かし、だんだんわかってきて、物事を進めるというプロセスが、EC等の新規ビジネスに必要な大切な心構えです。最初の段階は、役職や年齢は関係ありません。
ただし、どうせわからないと、考えることも検討も実務も丸投げしてしまうのは絶対やってはいけないことです。
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- [トップの本気を実現する経営幹部向け]小売業のためのEC入門連載記事一覧
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- 第4回:「実店舗と同じものを売るか否か」など正解がない、ECビジネスを構想する際のヒント
- 第3回:ECビジネスのための調査 まったく見当がつかなくてもまず始めよう
- 第2回:ECを始めるマインドセット(心構え)・進めかた
- この記事の著者
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ネクトラス株式会社 代表取締役 中島 郁(ナカシマ カオル)
新規事業立上げ、急成長事業マネジメントのプロフェッショナル。
ベンチャー、外資、老舗、それぞれで事業立上げ、急成長事業の責任者を歴任。関与分野は、小売、EC、インターネット、メディア、アウトソーシングを含むサービス業等。トイザらスではマーケティング部門立上げ、EC専業法人設立。ジュピターショップチャンネ...
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