ECサイト構築後に直面した「どこの倉庫から送る?」の壁。倉庫探しからEC向けP/Lの策定、システム連携、そして痛恨の配送ミスまで、手探りで挑んだ物流のリアルを明かします。「梱包資材はコスト」と考えていたアルビオンの榊原氏が、お客様の声を通じて「顧客最優先」の重要性に目覚め、物流こそECの成否を分ける最重要領域だと確信するに至った奮闘と教訓をお届けします。
「どこの倉庫から送るんです?」で、私は固まった
前回は、素人ながらShopifyと出会い、なんとかECサイトを立ち上げることができた話を書きました。今回は物流の話です。
今なら私も、ECサイトを立ち上げるには最低でも「受注」「決済」「配送」の3つを組み立てる必要があると知っています。ところが当時の私は、それすら知らない状態でした。受注と決済はECサイトの上で行うものですから、私が知らないうちにShopifyの中で構築されていました。
では配送は? 手つかずでした。
サイトが完成間近になったころ、StoreHeroの担当さんに言われました。「どこの倉庫から送るんです??」と。「あ……」この一言で、私は自分の無知さ加減に改めて呆れました。
この時点で、配送ポリシーも決まっていません。送料がいくらかかるかも知りません。何日で届くのかも、誰が送り状を出すのかも決まっていない。
情報をたぐり寄せるところから始めました。他社のECサイトを眺め、宅配便の料金表を調べ、かかる費用を積み上げ、送料を決めました。決め方が正しかったとは今でも思いませんが、まず決めないと何も始まりません。今振り返れば、この「まず自分で決める」という癖が、このあと何度も私を助けることになります。
まず社内の倉庫に、toC(一般のお客様向け)の配送もお願いできないかと交渉しました。答えはNGでした。当たり前です。無知は怖いものです。
会社には「個人のお宅に送る」フローがなかった
当然の話ですが、会社のビジネスとして、倉庫から販売店様に商品を送るフローはありました。しかし、それはトラックで大量の商品を販売店様に送るためのものであり、個人のお宅に1個ずつ商品を送るフローは、存在していなかったのです。
そして、toCの配送ができない理由を聞いて納得しました。既存の倉庫は、販売店様への出荷で手一杯です。1個単位のピッキングや梱包という、まったく違う作業を抱え込む余裕はないのです。
そこから新たな倉庫を探しました。物流の相場も、倉庫選びの勘所もわからないまま探すのですから、これも苦労しました。そして倉庫を決める前に、社内で説明しなければならないことがありました。商品がどう動くのかを、経理に説明する必要があったのです。
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株式会社アルビオン 国際ブランド推進室 参事 榊原 隆之(サカキバラ タカユキ)
1991年入社以来 営業として全国の化粧品専門店、百貨店の営業を担当。現在はアナ スイ コスメティクス、ポール & ジョー ボーテの国内販売の責任者を経て現在はAX,DX推進。
2018年から同ブランドのブランドサイトの立ち上げから運営も担当し、コスメのみならずファッション、ファッション小物までも販売している。現場営業、...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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