世界中で8,100万人超。これは、2025年のブラックフライデー・サイバーマンデー(BFCM)期間中に、Shopifyで構築されたECサイト経由で買い物をした消費者の数だ。世界総売上146億ドル、過去最大規模となった直近の年末商戦の数字から見える市場動向、消費者の変化はどのようなものだったのか。2026年に準備すべきことや、トレンドのヒントをShopify Japan株式会社 カントリーマネージャーの馬場道生氏に聞いた。
2025年、AIはコマースにとって不可欠な存在に
2025年7月、Shopify Japanのカントリーマネージャーに就任した馬場氏。同氏は、これまでDataRobotやNuance Communications(現マイクロソフト)といったグローバルAI企業の日本法人でキャリアを積んできた、AI活用のスペシャリストだ。その馬場氏が今回取材冒頭で語ったのは、「コマースにおけるAIの可能性」。2025年の市場動向やBFCMの数字を振り返る上で、特に「AIの社会実装と民衆化(一般化)は見逃せない要素」だと述べた。
「2025年は、コマース領域においてAIが不可欠な基盤になった転換点だといえます。Shopifyが行った直近の調査では、51%の消費者が『商品の発見やお買い得情報を探すためにAIツールを使っている』と回答しました。AIはもはや特別な技術ではなく、消費者の日常的なショッピングパートナーになりつつあります。
探し方に変化が表れている以上、EC事業者はAIとの対話から生まれる導線にも目を向けなければなりません。“最適解”として自社のサイトや商品が表示されるにはどうすべきか。広告やSEOを主軸としていた集客構造の根底がくつがえされつつあることを自覚して、戦略やアクションを変えていく必要があります」
こうした「発見行動のパラダイムシフト」と並行して、日本ではEC市場の拡大も引き続き進んでいる。BFCM商戦も市民権を獲得すると同時に利用者層が広がり、Shopify Japanが発表した調査結果では、2025年のBFCM期間における日本の消費者の支出額は前年比16%以上増加。特に、18歳から34歳の若年層の42%が「5万円以上使う予定」とBFCM商戦前から回答するなど、旺盛な購買意欲を見せる結果となった。
「この結果は、円安や物価高の影響から消費者の安く買いたい需要が増していることと、BFCMが年末商戦のスタートダッシュを切る手段として事業者に定着しつつあることを示しているといえます」
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ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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