お土産売上は5億円超!非試合日の236万人を捉える4象限
━━プロ野球のグッズといえばユニフォームやタオルなどの「応援グッズ」が定番ですが、北海道日本ハムファイターズのグッズは、他チームと比較してもお土産やライフスタイル雑貨のバリエーションが非常に豊富だと感じました。野球ファン以外に向けた「非・野球」の視点で、どのような商品開発を意識されているのでしょうか。
曽山:まずお土産の領域ですが、現在年間で約5億円以上の売上があります。私たちが意識しているのは、「試合がない日」の需要です。
年間で試合日の来場者が約220万人に対し、試合がない日は約236万人の方がFビレッジを訪れます。試合がなくても多くのお客様にご来場いただけることで、常に新商品をご提供し、お土産需要が高いという循環があることが大きいです。
━━試合がない日にもそれだけの人が訪れるのですね。具体的な商品企画はどのように進めているのですか。
曽山:ファナティクスさんと一緒に、グッズの企画を4つの象限に分けて考えています。「ファイターズ×試合日」「ファイターズ×試合がない日」「非野球×試合日」「非野球×試合がない日」の4つです。
当然、試合日のユニフォームなどは売上のボリュームの多くを占めていますが、それに次ぐ形で日常使いのできるデイリーユースの非野球グッズも売上の一つとなっています。たとえば、試合がない日にファイターズを絡めた商品として人気なのが、キャップなどのアパレル商品です。日常使いしやすいデザインにすることで、ファッションの一つとして、多くの方にお求め頂いています。
また、「非野球×試合がない日」では、Fビレッジの公式キャラクター「えふたん」のグッズもとても人気で、様々なバリエーションのグッズを用意しており、売上の柱の一つになっています。
━━ファナティクスさんはどのように連携されているのでしょうか。
五十嵐:MD部門に関しては、基本的にファイターズさんと一緒に進めています。ファナティクスの中でも、現場の店舗担当、MD担当、そしてEC担当の3つの部門に分かれており、ファイターズさんと方向性を合わせた上で、それぞれの部門で連携しています。
曽山:ファイターズのMD担当は少数精鋭のチームですが、そこにファナティクスさんのメンバーに参画いただき、ワンチームで動いています。常にコミュニケーションを取ることで、このパートナーシップを強くすることを意識しています。
五十嵐:ファイターズさんは「まずやってみよう」という文化があり、たとえば、ファミリーストアでオリジナルのクマのぬいぐるみを制作する体験ができる「Happy! moco-moco FACTORY™(ハピモコ)」など、様々なトライアルをさせていただけるのが非常に大きいですね。
エンタメ価値の店舗×コア層・新規流入のECで接点を最大化
━━Fビレッジやエスコンフィールドにある店舗と、公式ECサイトでは、売れ行きや客層にどのような違いがあるのでしょうか。
曽山:エスコンフィールドにある店舗は、ファイターズファンであってもなくても楽しめる「エンタメ価値」に重きを置いています。一方、ECは普段からファイターズに関する情報を見ているような比較的コアなファン層を意識しています。たとえば、全選手のグッズ展開や、いち早くユニフォームを手に入れたいといったニーズに応えられるようECサイトの運営を行っています。
五十嵐:店舗には実際にご来場いただいたからこそ楽しんでいただける「ここでしか得られない体験や商品」という価値があります。一方、ECでは、エスコンフィールドへのご来場が難しい遠方のお客様にも商品やコンテンツをお届けできるほか、オンライン限定商品の展開など、それぞれ異なる役割を持たせています。
店舗とECを単なる販売チャネルとして捉えるのではなく、いずれもお客様との接点となる「ロケーション」の一つと考えています。それぞれの特性を生かしながら、お客様との新たな接点や体験を広げていくことを大切にしています。
曽山:ECサイトのもう一つの特徴として、エスコンフィールドで開催されるイベントを起点にしてECに新規流入させるケースが多いのも特徴です。たとえば、アイドルグループがエスコンフィールドでライブを行った際には、限定グッズをECで先行販売しました。
すると、ファイターズファンに限らず、アイドルファンの方にも多くご購入いただきました。ECでグッズを購入したことをきっかけに、ライブで初めてエスコンフィールドにご来場いただくなど、新たな来場・流入経路の創出にもつながっています。
━━来場者をECに誘導する工夫などはありますか。
曽山:ECとCRMのチームが連携して、アプリやメルマガでお客様の購買傾向に合わせた情報の出し分けを行っています。
「この商品を購入された方には、この選手の商品も」といった形で、お客様一人ひとりに合わせた情報をお届けし、商品選びをサポートする導線づくりを進めています。
