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MarkeZine Day 2026 Autumn

ボールパーク最前線!ファイターズに学ぶ「熱狂」のつくり方

ファイターズ松橋氏に聞く、感情を動かし滞在時間を伸ばす空間プロデュースの裏側

 北海道ボールパークFビレッジの中核である「エスコンフィールドHOKKAIDO」は、単なる野球観戦にとどまらない「空間プロデュース」で来場者の滞在時間を劇的に伸ばしている。本記事では、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 興業施設運営部の松橋和彦氏に、データ活用や現場のオペレーション、失敗を恐れない組織文化など、マーケター必見の顧客体験(CX)向上の裏側を伺った。

「直感的に楽しい」を引き出せる空間をプロデュース

━━まずは松橋さんが所属される、興業施設運営部のミッションや業務内容について教えてください。

 興業施設運営部は、施設の管理や試合時のオペレーション全般を担う部署です。7月1日の部署改変により、屋根の開閉や芝の管理、清掃に加え、球場外のテナント周りの管理まで領域が広がりました。エスコンフィールドHOKKAIDOには、アルバイト・パートを含めると1,500~1,600名のスタッフが動いており、このスタッフと向き合いながら、顧客体験を日々改善しています。

 私は以前MD(グッズ)担当をしており、今年の2月に当部署へ異動しました。その際、これからの軸として「空間プロデュース」をやっていこうというミッションが始まりました。これまでエンタメ体験のベースとして「安心・安全」を重視してきましたが、そこにプラスして、お客様に楽しんでもらうためのベースアップを図るのが我々の役割です。

━━1日に数万人が訪れる空間において、松橋さんが考える「理想の顧客体験」とはどのようなものでしょうか。

 うまく言葉にはできないけれど、「1日楽しかったな」「また来たいな」と直感的に思ってもらえることが理想です。単に満足していただくだけでなく、お客様の「行動変化」が非常に大事だと考えています。

 遠足やデートの前日のように、行く前からワクワクしたり、移動中も楽しい会話が生まれたりするような、1日を通じたトータルでの「楽しさ」を設計していきたいですね。

時間と場所の設計図が生む、球場内の最適な回遊

━━その「楽しかった」という体験を実現するために、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

 今年から、時間と場所ごとに「こういう価値を提供していきたい」という設計図を作成しました。エスコンフィールドは非常に回遊しやすい構造になっているため、その設計図に沿って、毎週様々なコンテンツを当てはめていく作業を行っています。

 たとえば、2025年から実施している「しゃけまる神輿」の練り歩きは、後ろから人がついてくるような没入感のある面白い取り組みになっています。「非日常」を作るためには、理屈ではなく感覚的に楽しめる環境づくりが重要だと考えています。五感を使いながら楽しめるモードになってもらうことを意図しています。

しゃけまる神輿(©H.N.F.)

━━広い球場内で、どこにコンテンツを配置するかはどのように決めているのですか。

 ベースとなるエリアごとのコンセプトは大枠で決めており、球場内で人が集まりやすく「視聴率が高い」エリアと、うまく使えていないエリアを把握しています。うまく活用できていないエリアにあったコンテンツに関してはブラッシュアップし、お客様が普段訪れないエリアにも足を運びたくなるような仕掛けづくりを行っています。

 現状は時間帯ごとの人の多さを目で見て把握している段階ですが、今後はカメラ映像などのデータを活用し、人流や滞留時間をより精緻に把握し、より快適な導線設計や店舗配置の改善につなげたいと考えています。実測値として人流や滞留時間を計測し、施策の効果をより可視化していくのが次のステップです。

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最新技術とデータ共有が支える現場の即時改善

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/29 07:30 https://markezine.jp/article/detail/77574

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