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しろうとEC〜「明日からEC頼むね」と言われた未経験者が、失敗を糧に最高のECをめざす〜

「その商品、どこの倉庫から送るんです?」ECの「しろうと」がつまずく物流問題

株式会社アルビオン 国際ブランド推進室 参事 榊原 隆之[著]

物流の大失敗:配送先を変更したら、別のお客様の注文だった

 ここで、物流での失敗談をお届けします。お客様から「配送先を変更してほしい」とご連絡をいただきました。私がそれに応じて変更したのは、まったく別のお客様の受注データでした。

 たった1度のミスで、2人のお客様にご迷惑をおかけしました。当然、厳しく叱られました。そして、和歌山まで届けに行きました。

 この話を書くのは気が進みません。しかし「お客様最優先」を名乗る連載で、これをなかったことにはできません。

 原因ははっきりしています。受注データとお客様の対応を、私がひも付けられていない状態で作業したことです。ECの管理画面に並んでいる注文番号は、私にとって、まだ「数字」でしかありませんでした。店舗なら、お客様の顔を見て、名前を呼んで、確認できる。画面の上では、そうはいかない。

 これは、ECの難しさそのものでした。

梱包資材は単なる「コスト」ではない

 もう一つ、大きな学びがありました。箱の話です。

 当初、梱包資材について私は「コスト」としか考えていませんでした。だから、一番簡素な箱で送っていました。社内からは「ブランド名を箱に印刷したらどうか」という意見もありました。それに対して私は「どうせ捨てるのだから」と答え、簡素なままにしていました。

 この考え方を改めるきっかけは、社内の意見ではなく、「お客様の声」でした。

 買い物で一番心が高まるのはどんなときか。そういうアンケートを取ったところ、2位は「開封」のときだったのです。

 私は箱を、捨てられるコストとしてしか見ていなかった。ところがお客様は、その瞬間に心が高まると答えている。つまり、私はいちばん大事な時間を、いちばん安いもので済ませていたわけです。

 すぐに見直すことにしました。「こちら(企業)都合」ではよくない。この一件で、私の中の何かが変わりました。

 送料をいくらにするか、何日で届けるか、どんな箱で届くか。物流はどうしても「自分たちの都合」で決めたくなる領域です。原価がかかる、工数がかかる、手間が増える。そういう理由で決めてしまう。

 しかし、そこに「お客様はどう感じるか」の視点が抜けていたら、それはもう、ただの作業です。私には、お客様最優先のマインドが欠けていました。

 現場経験が長いくせにお客様を見ていなかったというのは本当にお恥ずかしいです。でもそれに気が付くのも営業経験があったからこそだとも思います。いまは私はECの中で物流は最重要ポイントだと思っています。

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第2回のまとめ

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この記事の著者

株式会社アルビオン 国際ブランド推進室 参事 榊原 隆之(サカキバラ タカユキ)

1991年入社以来 営業として全国の化粧品専門店、百貨店の営業を担当。現在はアナ スイ コスメティクス、ポール & ジョー ボーテの国内販売の責任者を経て現在はAX,DX推進。
2018年から同ブランドのブランドサイトの立ち上げから運営も担当し、コスメのみならずファッション、ファッション小物までも販売している。現場営業、...

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