本コラムは、EC事業部に異動した実店舗経験者が抱きそうな疑問に、4回の連載にわたって応えようというものです。実店舗の運営はわかるけれどもECはさっぱりという方が、EC運営のノウハウを取得し、実行して収益を改善し続けられるようになることを目指します。第2回となる今回は、「課題解決のためのヒト・モノ・カネ調達方法」です。
なにせEC部門は赤字だからねぇ……。
「ツールが導入できない」壁を突破するには
スーパーとドラッグストア500店舗を全国展開するグリーンホールディングスで、いきなりEC責任者に抜擢されてしまったあなた。着任して最初の3ヵ月は夜中まで頑張っても光明が見えない状態でしたが、『季刊ECzine vol.05』の「EC郡司塾第1回」を参考に自社業務のボトルネック発見に集中することで優先順位が見えてきました。
まず、大まかな業務フローを自ら描くことで事業の全体像を把握しました。より詳細な業務単位でのフローは、各担当者を集めてつながりを確認していくことで、担当者間でいつの間にか業務が複雑化していることに気づきました。それにより無駄な作業をなくし、効率を高めることができました。
高い目標を掲げると「できない理由」ばかりを並べるスタッフがいました。しかしできない理由が言えるのは、そのスタッフがその人なりに考えているということです。できない理由の裏返しを中間目標として達成すれば、事業目標が達成できます。中間目標を立てて、それぞれの優先順位を考慮し、取り組みを開始しました。
中間目標のひとつ「商品情報が正確・豊富である」の改善案を探るうちに、以前セミナー登壇していた元大手ドラッグストアC社でEC子会社社長だったコンサルタントと名刺交換したことを思い出して、メッセンジャーで相談しました。
相談の結果、NP社というところが、ドラッグストアの商品画像・商品情報の整備を行って、ドラッグストアへの情報販売をしていることがわかりました。早速NP社に詳細を確認したところ、9割の取扱商品がカバーできて、改廃も完璧ではないにせよ非常に手間暇をかけて取り組んでいることが確認できました。そこで、上司である常務にEC事業部長であるあなたはお願いに行ったのですが……。
あなた 商品担当が頑張っていますが、それでも無画像商品が多くて、改廃も間に合わずクレームが多発している状態です。手作業でEC向けの商品情報を整備しているので、店舗には平均2万SKUあるのに、ECは1万SKUしか掲載できていない状態ですのでお願いします!
常務 NP社で9割カバーすることで無画像が減って、3万SKU掲載を目指せるという君の話はわかるのだが、これに年○百万円費用がかかるというのはねぇ……。なにせ赤字なわけだし……。
あなた そこを何とかならないでしょうか!! ライバルのC社も使っている仕組みなんですよ。
常務 年○百万円なので経営会議にかける金額なのだが、難しいなぁ。他の方法を考たまえ。
あなた (かといって人を増やすのも却下されるし………)はい。失礼します。
良くある光景ですね。担当者が良いというものを見つけても、上司の費用稟議が通らない。さて、これは却下した常務が悪いのでしょうか? 答えはNoです。
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郡司 昇(グンジ ノボル)
小売業のICT活用研究所代表。薬剤師。前職は大手ドラッグストアにおけるマーケティングとEC 事業の責任者としてグループ統合マーケティング戦略を立案・実行。現在は主に(1)IT企業のCRM、位置情報、画像AI解析などの小売業活用 (2)事業会社のEC・オムニチャネル改善についてコンサルティング活動中。
●著書
知識ゼロから育てる「事業責任者」のためのEC塾
●ウェブ情報発信
https://ngunji.com/※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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