今なお成長を続けるEC・通販業界。さまざまなノウハウやトピックが生み出されている反面、表面的な部分に振り回されている局面も散見されます。EC・通販事業者として、そのビジネスの「本質」が何であるのか。事業者としてユーザーにどのように価値を提供していくべきか。プランクトンR 取締役 川部 篤史氏が、あらゆる切り口からロジカルに解き明かしていきます。第15回は、単に融合することだけではない、OMOのその先に待つ新しい小売のかたちについて、中国の先進小売事業の実例を交えながらお話していきます。
オンラインとオフラインの完全なる融合 ECの未来は?
これまでリピートビジネスとしてのEC/通販を構築するための考え方とその手法について、いろいろな角度からお話をしてきました。今回は、これからのEC/通販が向かっていくであろう方向性についてお話をしておきたいと思います。いわゆるOMO(Online Merges with Offline)への変化です。
これまでにも、O2O(Online to Offline)、クロスチャネルやオムニチャネルといった近しい考え方が提唱されてきました。OMOはそれらが包含され、完全に融合された先の世界のあり方を表しています。
これまでの区分であったオンライン↔オフラインという分類は、DECAXの購買モデルにおける全行動がトラック可能であり、それらのデータを踏まえた上で最適なマーケティング活動を行うことが可能な世界と、それが叶わない(叶っても一部)世界というところにというところにその根幹があったと考えます。

しかし、ここ数年で大きな変化が起こっています。まず、リアル店舗における小売事業でも、最終的な購買行動だけでなく、店内における回遊や、商品の検討・選択といった途中の過程における行動も、店内の各種センサー、カメラの映像解析などでトラックが可能になってきました。
代表的な例では米国Amazon Goや、中国の無人コンビニなどでしょうか。最近では日本でも福岡地盤のトライアルがスマートストアを掲げた業態が登場してきています。この分野は実験による試行錯誤と、UX改善がめざましく、おそらく、ここに書いていることも1年と待たずに新たな形へと進化・変貌を遂げていることでしょう。
次ページよりいくつかの事例を紹介します。これらは一見、リアル店舗の話のように見えますが、実はこれらのオペレーションの骨格はオンラインの世界と、密接どころか不可分に融合されています(この点は重要なので文末でも改めて触れます)。
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- この記事の著者
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株式会社プランクトンR 取締役 通販支援事業部長 川部 篤史(カワベ アツシ)
株式会社プランクトンR 取締役 通販支援事業部長 川部 篤史。
事業全体を俯瞰しつつ、豊富な知見に裏打ちされた、EC/通販事業での事業構築&製品マーケティング戦略立案・実行を得意とする。AI/オートメーションの活用や、中国越境ECにも明るい。現歴以前は、株式会社JIMOSで通販支援事業部長及びホールセー...
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