今回は、音楽CD・DVDを販売する「HMV ONLINE」のスマホECサイトを取り上げます。商品のジャンルが多岐に渡り、実店舗もある事業者が、できるだけ自然な流れでユーザーに商品を届けるには? ヒントが盛りだくさんです。
優秀な予測変換が、文字入力しにくいスマホの操作性をカバー
音楽CD・DVDを販売するスマホECサイトに訪れるユーザーは、どういった導線で商品にたどり着くのでしょうか。
まず、欲しいタイトルが明確な「目的買いユーザー」は、フリーワード検索からアーティスト名等を入力することが多いと想像できます。HMVでは検索窓の予測変換が充実していて、文字入力のしにくい、スマホの操作性をカバーしています。
たとえば、「サザンオールスターズ」の商品を探そうと「サザン」と入力すると、「サザンオールスターズ」だけではなく、英語読みの「Southern All Stars」や文頭の「サザン」ではない「リチャード・ウィリアム・サザン」も表示されます。
アーティスト名や音楽関連の商品は、英字やカタカナ表記、または数字を含む名称もあり、とくにスマホでは入力が難しいです。そのため、優秀な予測変換があるとユーザビリティが上がります。
階層を降りるカテゴリ選択で、実店舗の「偶然の出会い」
では、「何か聴きたいんだけど、いいモノないかな」というユーザーには、どうアプローチしたらいいでしょうか。HMVの場合、商品への興味を促す工夫として、極端に絞り込みをせず、幅広く興味を持たせる仕組みをとっています。
そもそも、「HMV ONLINE」では、音楽CD・DVD以外にも、書籍やチケットを販売しています。そのため、なんとなく音楽CDを探そうと思っているユーザーは、サイトトップのジャンル「音楽CD・DVD」をタップするはずです。
タップして「音楽CD・DVD」ページに飛ぶと、さまざまなニュースやジャンルレスの視聴コーナー、たとえば、佐野元春の下に東方神起のニュースが表示されます。これにより、サイトにアクセスする以前には思ってもみなかったアーティストや商品に出会う可能性が出てきます。
ジャンルは右のボタンから選択する仕組みで、さらに詳しいカテゴリは、次の階層で選択させていきます。つまり、ユーザーの選択により、1つずつ階層を降りていく構成で、これは実店舗の動きを想定しているのでしょう。
実店舗へ行くと、入店するまで気づかなかったCD・DVDを購入することがよくあると思いますが、その理由は、店内のポップ広告やチラシ・パンフレットなどに感化されて購入に至るから。そのようなリアル店舗での偶然の出会いを、スマホでも実現しようと階層の作りかたと導線を工夫しているのだと考えます。
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株式会社モバイルコマース 代表取締役 飯野勝弘(イイノ カツヒロ)
日本IBM株式会社にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、2000年に株式会社エムティーアイ(JASDAQ)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ500サイト以上の立ち上げを経験。現在、株式会社モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業のスマホサイトコンサルティング業務と開発運営を行う。主業務に「売上の上がるスマホサイトの改善」大企業からの指名発注が多い。現在のCVR...
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