AppleのiOS11へのアップデートの影響が大きかったこの3ヵ月。プラットフォーマーは続々とライブコマースの機能を提供開始、コンテンツや広告のクリエイティブとして動画がメインストリームになりつつある。まだまだ、テクノロジーの進化によるECの変化は終わらない(※本記事は、2017年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.03』に掲載したものです)。
SafariブラウザにITP搭載
広告効果測定とリタゲに影響
運用型広告関連のトピックス、今回は迷わずAppleが提供するSafariブラウザに搭載されたIntelligentTracking Prevention (ITP)について。9月20日に提供が開始されたiOS11に搭載された機能で、ウェブサイトを閲覧する際のプライバシー保護と利便性のバランスをとることを目的にしている。運用型広告に関連するのは、トラッキングを目的としたCookie(広告のクリックや過去にサイト閲覧した情報を保存したもの)の利用に制限をかける機能だからだ。Cookieの利用が制限されると、広告の効果測定とリターゲティング広告の配信に影響する。
「ITP機能が働いている環境下では、2段階の処理が行われます。最初の処理として、ウェブブラウザに保存されるCookieに対して、まずクロスサイトトラッキング能力があるか判断をします。たとえばECzineのサイトにアクセスしているのにECzineとは異なるドメインからCookieを読み書きされていないかをチェックするイメージです。
そこでクロスサイトトラッキング能力があると判断された場合は、そのCookieはインタラクションが発生しているかどうかが確認されます。インタラクションが発生している場合は、インタラクションから24時間はサードパーティのCookieとして広告クリックやウェブサイトの訪問履歴といったデータの読み出しが可能ですが、インタラクションがない場合は即座に隔離されて、広告のクリックやウェブサイトの訪問履歴といった情報を読み出すことができなくなります。
ここで言う“インタラクション”はサイトを訪問してクリックなどのアクションを起こすことを指します。インタラクションが発生しているという状況を例えるなら、ECzineのサイト上でGoogleのサイトを表示してクリックを行うと言ったイメージです。
一般的にこれはなかなか実現できません。ITPの対策を講じていない広告プラットフォームの場合であれば、クロスサイトトラッキング能力があると判断されることは、コンバージョンの計測に漏れが出たり、リターゲティング広告で追従できなくなったりといった影響がすぐさま出ることを示します」
これはSafariブラウザに限っての話だが、ECサイトであればスマートフォンユーザーが占める割合、そのうちiPhoneユーザーでデフォルトのブラウザであるSafariを利用している割合を考えれば、影響は大きいと言える。
「ITPの搭載については、2017年6月にはAppleから発表されていたので、準備していたプラットフォーマーもいるようです。たとえばGoogleは、計測ツールのGoogle Analyticsや、リマーケティング広告を含むGoogle AdWordsがトラッキングのためにCookieを利用していますが、対策として、ITPの影響を受けないファーストパーティCookieを利用した計測方法の提供、同じくファーストパーティCookieを利用して計測を行っているGoogle Analyticsとの連携、機械学習による予測モデルの活用などがあります。
一方で、ITPへの対策が進んでいないプラットフォーマーは影響を受けざるを得ない。EC事業者が利用している運用型広告、広告効果測定ツール、アフィリエイト・サービス・プロバイダなどについて、まだ対応を発表していないプラットフォーマーの動向が気になります」
たとえばアフィリエイトプログラムを提供するバリューコマースは、10月27日にCookieに依存しないデバイス推定技術を用いたトラッキングの追加(広告主は、現在使用しているコンバージョントラッキング用のイメージタグを、新しいJSタグに入れ替える必要がある)を発表している。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
-
- Page 2
この記事は参考になりましたか?
- 季刊ECzine vol.03 定点観測連載記事一覧
- この記事の著者
-
ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)
ECzine編集部ならではの視点で、マーケターの皆さんに情報をお伝えいたします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
Yuwai株式会社 代表取締役 田中広樹(タナカ ヒロキ)
日本放送協会で放送エンジニアとしてキャリアをスタート、後にキャリアチェンジでインターネット広告の世界に飛び込む。大手インターネット専業の広告代理店で約3年の勤務を経て、アナグラム株式会社(現:フィードフォースグループ株式会社(東証グロース)傘下)にて創業期メンバーとなる第一号社員として参画。11年8ヵ月従事の後、2...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
