2020年、対面接客の良いところを活かしながらも、デジタル上で買い物をすることができるライブコマースに注目が集まっています。日本や台湾のライブ配信プラットフォーム「17LIVE(イチナナ)」を運営する株式会社17 Media Japanで、ライブコマース事業を担当する村井宏海さんによるこの連載では、同社がすでに事業展開を行う台湾のライブコマース事情を踏まえながら、日本でこれからどうライブコマースを活用していくべきかご紹介します。第1回は、「ライブコマースの特徴・コツ」と「台湾のライブコマース事情」についてです。
リアルタイムでモノ・サービスを販売 ライブコマースの3つの特徴
ライブコマースは、ライブ配信でモノを売ること。そう考えられる方も多いと思います。もちろんそれは正しいのですが、当社はライブコマースを「ライブ配信でリアルタイムにお客様とコミュニケーションを行い、モノ・サービスの販売をすること」と定義しています。
サービスを売ることもライブコマースなのか。こう思われる方もいるかもしれません。当社では、有料配信サービスも提供しています。そこで、デジタルチケットの販売なども行っているため、サービスの販売もライブコマースの定義に加えています。これまで実際に、野外フェスイベントや音楽ライブの配信、料理教室の配信などを行ってきた実績があります。
ライブコマースの定義づけを行ったところで、次はライブコマースの特徴をご紹介します。ライブコマースの特徴は、主に3点あります。
- リアルタイム接客
- 多数同時接客
- 「人」起点の販売
それぞれの特徴について、下記にまとめました。
1. リアルタイム接客
ライブコマースでは、配信を始めるとリアルタイムでお客様の声がコメントとして流れてきます。たとえばアパレル事業者が行う配信では、「透け感は大丈夫ですか?」や「シルエットが気になるから、次はこれを着てみてください」といったように、お客様からさまざまなリクエストや質問が来ます。これらのコメントをできるだけ多く拾い、商品の特徴をその場でリアルにお伝えする。こうした双方向のコミュニケーションを意識して行うことで、お客様に安心して商品を購入してもらうことができます。
ちなみに、ライブコマースはテレビショッピングと同じだと思われる方も多く、「台本はどうやって作ればいいですか?」といった質問も多くいただきます。動画でリアルタイムでモノやサービスを売るという点では共通点もありますが、ライブコマースではリアルタイムでお客様とコミュニケーションを取れるため、しっかりと台本を決めて取り組む方は、実際のところあまりいません。あくまで、普段の接客、人と人とのコミュニケーションの延長線上であると意識し真摯に対応することが、店舗やスタッフへの信頼感につながっていくと当社では考えています。

2. 多数同時接客
ライブコマースのふたつめの特徴は、同時に多数のお客様を接客できることです。実店舗だと、基本的には1対1の接客ですが、ライブコマースでは1対n(複数人)の接客が可能です。これにより、高い効率性でお客様とのコミュニケーションを実現することができます。
当社では、ライブコマースのことを「バーチャル店舗」とも表現します。ライブコマースは、オンライン上に実店舗を構えていただくようなイメージです。実際に、当社のクライアントであるアパレルブランド「DURAS」では、45分のライブ配信で都心の実店舗の1日分の売上を超えたという実績もございます。
3. 「人」起点の販売
先ほど、ライブコマースは「人と人とのコミュニケーションの延長線上であると意識することで、実店舗やスタッフへの信頼感につながっていく」とお伝えしましたが、実際に当社のクライアント企業でも、配信回数を重ねるたびに視聴者が増え、コメントが活発になり、結果的に売上が上がっていくといったケースがほとんどです。もちろん、配信者側の慣れという側面もありますが、お客様とのコミュニケーションの積み重ねで信頼を獲得した結果、視聴者がファン化し、クチコミでファンがファンを呼ぶ構造になっていると理解しています。
ファンと言うと「カリスマ店員?」とイメージしがちですが、カリスマ店員さんももともとはひとりの店員です。ファンは後からついてくるもので、ライブコマースにおいてはお客様とのコミュニケーションの積み重ねで生まれる信頼が非常に重要です。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- 海外事例から学ぼう ライブコマースでものを売る秘訣連載記事一覧
-
- 効率性を兼ね備えた新たな販売の形へ ライブコマースの活用方法と今後の可能性
- キーワードは「応援」と「課題解決」 ライブコマースでモノが売れるメカニズムとは
- 45分のライブ配信で実店舗以上の売上も ライブコマースを始める前に知っておきたいコツを紹介
- この記事の著者
-
株式会社17 Media Japan ライブコマースチーム 村井宏海(イチナナメディアジャパン ライブコマースチーム ムライヒロミ)
大学卒業後、楽天株式会社にてECコンサルタントを担当。楽天賞2度受賞。関西の副責任者として営業組織のマネンジメント。その後、ファッション戦略課にて企画、データマネジメント組織の立ち上げなどを担当。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
