EC化率が上昇するにつれ、各企業が課題として抱える物流の問題。実店舗とECの在庫を効率良く回し、売上を向上していくための考えかたを紹介する連載です。第3回は、「オムニチャネル物流の歴史と変化」をテーマにお届けします。 ※本記事は、2020年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.15』に掲載したものです。
こんにちは、物流コンサルタントとして活動している株式会社リンクスの小橋です。前回のコラムでは、オムニチャネルに必要とされる「在庫管理法」についてご紹介しました。今回は、「オムニチャネル物流の歴史と変化」について解説します。
10年足らずで大きく変化した実店舗とECの関係性
オムニチャネルの始まりは、アメリカの百貨店「Macy’s」が2011年に行った施策がきっかけとされています。同社は、実店舗で商品を見てECで購入するショールーミングの対策として、実店舗の在庫や顧客情報を統合し、顧客にまったく新しい購買体験を提供することを宣言しました。これをきっかけに、オムニチャネルは全世界に広がっていったのです。
日本でも、2013年頃からオムニチャネルという言葉がメディアなどで取り上げられるようになりました。その流れに乗り、2016年に中国のアリババが「これからはネットとリアルの融合である」とし、ニューリテールの概念を発表。「純粋なECの時代の終焉を告げる」と伝えました。まさに、小売流通業界がデジタルによって大きく変革する時代の流れを感じます。
デジタル化は、2020年に世界中を襲った新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、さらに進みました。これまでの実店舗での購入からECへのシフトも加速しています。これだけ商流が大きく変わろうとしているということは、商流を裏で支える物流においても変革が必要です。
しかし、なぜかオムニチャネルにおける物流の変化について議論されることは少なく、メディアで取り上げられる話題もECシステムを含めたマーケティングにかかわるものがほとんど。SNSを活用して情報の拡散を行う、マーケティングツールを用いて顧客へアプローチするといったデジタル施策ばかりが目を引きます。
とは言え、商流の変化は商品を実店舗や顧客に届ける物流のありかたにも大きく影響するため、当記事内にて考えていければと思います。
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株式会社リンクス 代表取締役社長 小橋重信(コバシシゲノブ)
アパレル会社でのブランドのMD含め運営にかかわり、会社上場から倒産を経験。その後IT会社を経て、物流会社OTSにて多くのファッション企業のtoB、BtoC、オムニチャネル物流の新規立ち上げから運用を行う。その後、物流コンサル会社リンクスを立ち上げ、クライアント企業の物流改善から改革のサポートを行う。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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