本連載では、年間100社以上の営業トップと対話を重ねたユーザベースの田口槙吾氏と「営業企画」のアップデート方法を掘り下げていきます。今回はゲストに、NECソリューションイノベータでマーケティング組織を牽引する飯島圭一氏をお迎えしました。30年間一貫して、外資企業と日本企業で営業企画とマーケティングに従事してきた飯島氏。その経験に裏打ちされた、営業と営業企画の連携を強化する組織づくりについて深掘りしました。
「デマンドジェネレーションセンターになる」と宣言
田口(ユーザベース) 飯島さんは長らく営業企画に携わり、マーケティング組織を先導してこられたと聞いています。ご経歴からおうかがいできますか。
飯島(NECソリューションイノベータ) 日系の製鉄メーカーでBtoB領域の営業企画からキャリアをスタートし、マイクロソフトで約14年プロダクトマーケティングを担当しました。NECソリューションイノベータに入社したのが2016年、外資と日本企業のマーケティング組織にちょうど半分ずつ属し、営業・マーケティング職に携わってきたことになります。
入社当時は新規事業開発の担当でしたが、「自主事業の更なる強化」という経営方針のもと、2018年にマーケティング推進本部が新設されました。以降、マーケティング組織をリードする役割を担っています。
田口 外資企業と日本企業のマーケティング組織で営業企画を経験されて、どのような違いを感じますか。
飯島 組織のあり方に違いを感じますね。グローバルなマーケティング組織の場合、リードをいかに案件化して営業のパイプラインに貢献できるか、いわゆる「デマンドセンター」としてうまく機能しています。
一方、日本企業は特定顧客に寄り添う営業スタイルが主流だったため、マーケティングの必要がなかったという背景があります。製品と営業力の強さゆえに、「営業部門のもとで展示会の企画やカタログ制作に携わることが、マーケティングや営業企画の役割だ」と認識されていたように感じます。営業と対等な関係性が築けていない印象です。
そのため、2018年に各事業部に分散していた販促部門が集まってマーケティングの専門組織が立ち上がった際、「営業部門と同じ重さでKPIを背負う、デマンドジェネレーションセンターになる」ことをミッションやKPIに落とし込みました。これは「営業とマーケティングは対等であり、横の関係性である」との宣言でもあります。
田口 営業と横の関係を強化するために、まずはどんな取り組みをされたのでしょうか。
飯島 「何か困っていることはない?」と、各営業部門の人たちに話しかけるところから始めました。売上が順調なチームは新しいことを始める必然性が薄く、外から来た人間にはなかなか耳を傾けてくれません。そのため、あえて困っている人を探しました。すると、ある営業部門のマネージャーが「展示会で毎回3,000件くらいリードを獲得していながらパイプラインがつくれない」とチームの課題を漏らしたんですね。
私どもでプロセスを分解したところ、名刺のデータ化に1ヵ月かかり、そこから営業のフォローが始まっていたことが判明したのです。そこで展示会場に名刺管理ツールのスキャナを持ち込み、名刺を即時データ化してMAツールで即お礼メールを送信し、インサイドセールスで仕分けて営業へ引き渡せる状態をつくった結果、パイプラインの創出率が約10倍に。このように営業のボトルネックを改善し、スモールサクセスを繰り返して営業部門に仲間を増やしていきました。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
-
- Page 1
-
- Page 2
-
- Page 3
この記事は参考になりましたか?
- ビジネス成長の鍵に! 新時代を勝ち抜く「営業企画」の可能性連載記事一覧
- この記事の著者
-
株式会社ユーザベース スピーダ事業 法人営業・マーケティング支援責任者 上級執行役員 田口槙吾(タグチ シンゴ)
複数のIT企業にて営業マネジャーや新規事業立ち上げなどを経験後、2016年にユーザベースに参画。経済情報プラットフォーム「SPEEDA」の営業リーダーを歴任後、営業DXソリューション「FORCAS」の創業メンバーとして新規事業立ち上げに従事。CRO(Chief Revenue Officer)などを経て、2021...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
