競合より半年も遅い初期接点。DX営業部立上げの背景
──まずはDX営業部が発足した背景と、当時の課題について教えてください。
森田:始まりは、2019年に立ち上がった全社の構造改革プロジェクトの中で「営業改革プロジェクト」チームが結成されたことでした。
2019年に発足した全社構造改革プロジェクトにて営業改革チームを担当し、営業プロセスの課題抽出や改善策策定に従事。その後、DX営業部の立ち上げに伴いトップに就任。同組織の体制構築やアプローチ方法の推進などを主導した。現在は営業本部全体の営業変革推進とともに、テクノロジーやAIを活用した営業生産性の向上に取り組む。
森田:このチームで当時の営業本部の状況を整理したところ、浮かび上がってきたのが「売上シェアの低迷」と「収益性・利益の低迷」という2つの課題。リピート顧客・既存顧客の維持だけでなく、新規獲得も十分にカバーできていない状態だったのです。
さらに調査を進めた結果、顧客にアプローチするタイミングが、競合他社に比べて半年も遅いことが判明したのです。オフィス改修や移転プロジェクトの立ち上げといった提案のチャンスをキャッチするころには、競合がすでに半年前に提案している。これでは成約はもちろん、顧客との関係構築にもつながりません。
加えて、顧客の購買行動にも変化が起こっていました。かつてはオフィス移転の構想段階で問い合わせが発生していましたが、2019年頃には顧客自ら情報を集め、ある程度業者を選定してから問い合わせるスタイルにシフトしていました。そのため、Webマーケティングに強い企業が早期介入したあとの土俵でしか戦えず、しばしば価格競争に巻き込まれるなど、苦しい状況に陥っていたのです。
こうした課題感を踏まえ、顧客接点を早期化し、新規顧客・休眠顧客を対象にデジタルマーケティングやインサイドセールス(IS)の施策を展開する組織として、2021年4月にDX営業部が立ち上がりました。
新卒営業全員をISに?新規受注も若手研修も担う組織へ
──新組織はどのようなメンバーで構成されたのでしょうか。
森田:大きな変革として、それまで各拠点の営業組織に配属していた新卒営業全員をISに配属しました。
ベテラン営業をアサインする案も出ましたが、長年対面営業を中心に活躍してきた分、非対面での新たなアプローチに切り替えるハードルが高くなります。新卒営業であれば、既存の体制を崩さずにアサインできると同時に、固定観念のないまっさらな状態で新たな施策や体制を受け入れられるだろうと判断したのです。とはいえ、新卒だけでいきなり成果を上げるのは難しいため、現場で実績を上げていたエース営業3名を配置し、新卒教育を行いながらスタートしました。
田中:実は、当時は新卒営業の離職率も大きな課題となっていました。通常3割程度と言われる新卒離職率が40%近くまで高まっていることを受け、教育体制の見直しも合わせてDX営業部で担うことになったのです。
デジタルマーケティング基盤の整備と若手社員の育成カリキュラム構築に従事。自ら初期のインサイドセールス業務を実践し、現場でのナレッジ策定や組織内への業務定着を推進した。新卒社員の離職率低下や働きやすい環境整備を支援したほか、現在はDX営業部で確立した営業体制や顧客アプローチ手法の全社展開に向けた施策を担当している。
草別:各地域へ配属されると思っていたため、入社式の配属発表で「新卒営業16名、全員が東京配属」と告げられた時は驚きました(笑)。しかし、DX営業部の一期生としてイトーキの新たな取り組みに挑戦できることは、非常に胸が躍りました。
