SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Autumn

翔泳社の本

「社内調整中」から進まない理由──「キーパーソンに会えない」を突破する3つのポイント【書籍抜粋】

 法人営業において、担当者の反応は良いのにキーパーソンとのアポイント調整が進まない「キーパーソンに会えない迷路」に陥ることは少なくありません。「社内調整中」という言葉の裏側では、担当者がキーパーソンにつなごうとしない、あるいはキーパーソン本人が拒否しているなど、様々な要因が絡み合っています。やみくもに催促するのではなく、お客様の購買プロセスを踏まえて「どこで詰まっているのか」を正しく把握することが重要です。今回は書籍『法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く』(翔泳社)から、「キーパーソンに会えない迷路」の原因を特定する全体マップと、突破の3ポイントを解説します。

 本記事は『法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く』の「第3章 「キーパーソンに会えない」迷路」から抜粋したものです。掲載にあたって編集しています。

営業の「迷路」にはまらず勝ちパターンを作る

 法人営業でよくある4つの迷路のうち、本記事では「キーパーソンに会えない迷路」でどのような打ち手を用意すればいいかを考えていきます。松明を手に迷路を脱出し受注に結びつける、いわば「守りの勝ちパターン」ということになります。

 これら4つの迷路は、表面的には「提案活動の停滞」という一つの悩みに見えます。しかし構造的に分解してみると、迷路ごとに原因も対策も異なります。闇雲に「もう一度お電話してみよう」「もう少し粘ってみよう」と動き回るのではなく、「自分がいまどの迷路にいて、何が原因で詰まっているのか」を正しく把握することが、脱出への第一歩になります。

法人営業が陥る「4つの迷路」
クリックすると拡大します

重要人物を交えた日程調整が進まないとき、どうする?

 私がまだ20代、ある大手製造業のお客様に業務改善のコンサルティングを提案していたときのことです。

 窓口のAさん(人事部の課長)は、2回目の商談の最後に「上司の部長を交えた打ち合わせを設定しましょう」と言ってくださいました。キーパーソンにつないでいただける約束が取れたので、私は安堵し、日程の候補を送りました。

 毎週、窓口のAさんとは打ち合わせを続けていたのですが、1週間経っても、2週間経っても、日程が決まりません。日程の候補を改めて送り直してAさんに確認すると「すみません、いま社内の調整中でして……」とのこと。3週間が過ぎた頃には、このまま部長に会わせてもらえないのではないかという不安が頭をよぎり始めていました。

 「催促する」か「待つ」か。当時の私にはその二択しか思い浮かびませんでした。しかし、催促すればAさんの負担が増える。待てば案件が消える。どちらも正解ではないことだけは、わかっていました。

 転機は、その次の打ち合わせでの何気ない一言でした。

 「ちなみに、今回のご検討は人事部さんの中で完結するお話ですか?」

 Aさんの返答は意外なものでした。「実は、経営企画のB部長がこの領域に強い持論を持っていまして。うちの部長も、B部長の了承なしには進めにくいんです」

 その瞬間、3週間動かなかった理由がわかりました。Aさんがつなごうとしていたのは自分の上司(人事部長)でしたが、真のキーパーソンは別の部門にいたのです。しかもAさんにとって、別部門のB部長に話を持っていくのは心理的ハードルが高い。だから「社内調整中」のまま止まっていたわけです。

 私は方針を切り替えました。Aさんに「B部長がいま特に関心をお持ちのテーマは何ですか?」と聞くと、「業務の属人化解消に課題意識があるらしい」とのこと。その後、属人化解消をテーマにした短い事例レポートを作り、翌日Aさんに送りました。「もしB部長のお近くの方にお渡しいただけたら、きっとご関心に沿うと思います」と添えて。

 Aさんは、B部長の配下のメンバーにレポートを転送してくれました。そのメンバーがB部長に「こういう事例があるらしいですよ」と報告したところ、「じゃあ一度会おう」という返答があったのです。

 3週間動かなかった案件が、3日で動きました。

 あのとき私が「催促する」「待つ」のどちらかを選んでいたら、おそらくこの案件は消えていたでしょう。案件が止まっていた真の原因を特定できたこと。それが突破口になりました。

 本書では、この「キーパーソンにつないでもらえない」という状況を9つの落とし穴として構造的に分解し、「いま何が原因で詰まっているのか」を見極めるための全体マップを見ていきましょう。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く

Amazon SEshop その他

法人営業 勝ちパターン大全
顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く

著者:高橋 浩一
発売日:2026年8月7日(金)
定価:2,420円(本体2,200円+税10%)

本書について

『無敗営業』『営業の科学』で営業の勝ち筋を示してきた累計24万部の著者の最新刊! 膨大なデータの分析と体系的なロジックを組み合わせ、営業パーソンが今すぐ使える効果的な打ち手を一挙公開します。

次のページ
「キーパーソンに会えない」迷路の全体マップ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
翔泳社の本連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

大久保 遥(編集部)(オオクボ ハルカ)

大学卒業後は編集プロダクションにて、主に料理や歴史などのムック本の編集を経験。その後ビジネス書・語学書を扱う出版社を経て、2017年より翔泳社の書籍編集部へ。翔泳社では「IT用語図鑑」シリーズ、「「ゆる副業」のはじめかた」シリーズの他、『インサイドセールス』『ど素人でもわかる経営学の本』など、ビジネス書・IT入門書...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/08/24 07:00 https://markezine.jp/article/detail/77206

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング