「AIに営業の仕事を奪われるのではないか……」という漠然とした不安を抱いてはいないだろうか。今まで営業の武器であった「情報の希少性」や「分析スピード」は、いまやAIの独壇場となった。お客様は営業スタッフに問い合わせする前に手元のスマホやPCで最適解を導き出している。こうなると小手先のトークや強引な売り込みはもはや通用しない。その一方で「あなたから買いたい」と指名され、売り込まずとも成果を上げ続ける営業スタッフも存在している。彼らはAIと競うのをやめ、AIには決して踏み込めない領域でお客様とつながっている。営業の本質は、「売る」から「決断をサポートする」へ変わってきている。今回はAI時代に選ばれる営業スタッフの特徴について紹介させてほしい。
AI時代に求められる営業の姿勢とは?
お客様が商品を選ぶプロセスは劇的に変わった。商品を検索すれば、瞬時に価格比較表が表示される。メリット・デメリットも、AIが膨大な口コミをもとに一瞬で整理してくれる。

お客様は営業スタッフに会う前に、すでに十分な情報を手にしているのだ。場合によっては、営業スタッフより商品に詳しいことさえある。
こんな時代に、次のような情報提供のみの営業を続けていたら、どうなるか。
「今が買い時です」
「新商品がすごいんです」
「キャンペーン中です」
情報量、処理速度、比較精度。どれをとってもAIには勝てない。小手先のトークで取り繕っても、お客様の手元にある「AIによる客観的なデータ」の前ではすべて見透かされてしまうだろう。
にもかかわらず、いまだに多くの営業が「熱意をもって売り込めば何とかなる」と信じている。だが、そんな時代ははるか昔に終焉を迎えているのだ。
今、求められているのは「情報を届ける人」ではない。 お客様が必要としているのは、情報の波の中で「決断を預けられる、信頼できる人」。ここを目指すしか道はない。
お客様は、どのように決断を下すのだろうか?
お客様には、購入に至るふたつのルートがある。
ひとつは「AIルート」。検索し、比較し、合理的に判断する。便利で速く、正確だ。
もうひとつが「人間関係ルート」。信頼関係を基盤とし、「あの人から買いたい」という感情で選ぶ。時間はかかるが、一度築ければ強固なファンになってくれる。今後の営業活動のカギを握るのは、間違いなくこちらだ。
しかし、多くの営業スタッフは「こんな時代に人情など通用しない」と思い込んでいる。あるいは「AIが進化すれば営業職は不要になる」と誤解している。
ここでよく考えてみてほしい。すべてのお客様が、AIの提示したデータだけで最終決断を下せるだろうか? 決してそうではない。
AIが進化し、選択肢が最適化されればされるほど、逆に選んだ結果はすべて自己責任になる。すると「本当にこれでいいのだろうか?」という最終決断への不安は、以前よりも大きくなるものだ。
AIは最適解を提示できても、あなたの選択の責任は取ってくれない。だからこそ人は最後、信頼できる人からの「あなたの場合は、こちらがベストです」という太鼓判を欲するのだ。
このひと言に込められた安心感。これこそが、AIには代替不可能な「営業スタッフの真の価値」である。
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- この記事の著者
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営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明(キクハラトモアキ)
群馬県生まれ。大学卒業後営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。その後訪問から”営業レター”に手法を変えたことで4年連続トップの営業マンに。2006年に独立、講演活動、研修を行っている。2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2025年までに83冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。
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